同僚が遅めの夏休みをとって萩に行ってきたそうで、お土産に夏みかんクレープなるものをいただく。
ほんのりと夏みかんの香りがするクリームをクレープで包んでありなかなか上品な味がする。
萩はまだ行ったことがなくて、いつか行ってみたいと思っている場所のひとつ。
だいたい萩って、名前がとてもいいと思う。
萩の花とは関係がないらしいけれども、あの花のように可憐で趣がある印象。
山口の萩は、写真で見る限りでは、私が育ったところの近くにある長野の松代(まつしろ)という町によく似ているように思う。
松代は近年観光地として鋭意売り出し中(?)らしく、最近はJRのポスターなどでも目にするようになった。
そういわれて思い起こすと、松代には確かに感じのいい古い造り酒屋や庭園や小さなお寺や神社などがあったから、おとなになったいま松代に行けば、とても風情を感じる町として新たな存在感を感じたりもするのだろう。
ものすごく強い鉱泉の温泉もある。白いタオルが真っ茶色になるくらい。
松代には太平洋戦争の末期に朝鮮人や日本人を強制労働させて設営したという巨大な地下壕もある。
松代大本営跡地といって、太平洋戦争で本土決戦になった場合に軍の中枢とか天皇が移動する場所としてつくられたもの。したがって軍事施設とか天皇の座所なんかまでその地下壕の中にはある。
たった一年ほどの設営期間で、当時のお金にして2億円もかけられ、のべ300万人!もの人たちが地下壕を掘るのに動員させられたそうだ。
動員数とか動員されたひととかには諸説があるらしいけれど、いずれにせよ戦争が遺した傷痕には違いない。
子どものころはこの周辺は遠足や勉強会のコースに組み込まれていたから何度も訪れたし、祖母がこの松代の生まれで戦時中は近辺に住んでいたせいもあり、この頃に起きたさまざまなことをたくさん教えてくれた。
地下壕に入ると、天井にこうもりがいて、うねうねとしたトンネルがずっと続く。
立ち入り禁止の区域も多いし、工事途中で敗戦を迎えたから掘りっぱなしの場所もある。
私はいつ訪れても、その陰鬱な暗さと地下独特の湿っぽさと歴史の悲しさに、何度も身がすくんだ。
いま思えばとても貴重な史跡を見ていたのだと思う。
萩に似ている松代は、そんな町。
萩に話を戻そう。
同僚が萩のお土産屋さんを物色している最中に、中年の女性たちが店員さんに「萩の月は置いていないの?」と何度も、何人も聞いていたそうだ。
そのたびに店員さんはとても申し訳なさそうに「ないんです」と答えていたとか。
萩の月。それは置いてないですよ、だってあれは仙台の銘菓だもの。
萩の萩の月。
なんとも明るくて平和でかわいらしいエピソード。
平和ってすばらしい。
そんなふうに思いながら、夏みかんクレープをぱくぱく食べた。
ほんのりと夏みかんの香りがするクリームをクレープで包んでありなかなか上品な味がする。
萩はまだ行ったことがなくて、いつか行ってみたいと思っている場所のひとつ。
だいたい萩って、名前がとてもいいと思う。
萩の花とは関係がないらしいけれども、あの花のように可憐で趣がある印象。
山口の萩は、写真で見る限りでは、私が育ったところの近くにある長野の松代(まつしろ)という町によく似ているように思う。
松代は近年観光地として鋭意売り出し中(?)らしく、最近はJRのポスターなどでも目にするようになった。
そういわれて思い起こすと、松代には確かに感じのいい古い造り酒屋や庭園や小さなお寺や神社などがあったから、おとなになったいま松代に行けば、とても風情を感じる町として新たな存在感を感じたりもするのだろう。
ものすごく強い鉱泉の温泉もある。白いタオルが真っ茶色になるくらい。
松代には太平洋戦争の末期に朝鮮人や日本人を強制労働させて設営したという巨大な地下壕もある。
松代大本営跡地といって、太平洋戦争で本土決戦になった場合に軍の中枢とか天皇が移動する場所としてつくられたもの。したがって軍事施設とか天皇の座所なんかまでその地下壕の中にはある。
たった一年ほどの設営期間で、当時のお金にして2億円もかけられ、のべ300万人!もの人たちが地下壕を掘るのに動員させられたそうだ。
動員数とか動員されたひととかには諸説があるらしいけれど、いずれにせよ戦争が遺した傷痕には違いない。
子どものころはこの周辺は遠足や勉強会のコースに組み込まれていたから何度も訪れたし、祖母がこの松代の生まれで戦時中は近辺に住んでいたせいもあり、この頃に起きたさまざまなことをたくさん教えてくれた。
地下壕に入ると、天井にこうもりがいて、うねうねとしたトンネルがずっと続く。
立ち入り禁止の区域も多いし、工事途中で敗戦を迎えたから掘りっぱなしの場所もある。
私はいつ訪れても、その陰鬱な暗さと地下独特の湿っぽさと歴史の悲しさに、何度も身がすくんだ。
いま思えばとても貴重な史跡を見ていたのだと思う。
萩に似ている松代は、そんな町。
萩に話を戻そう。
同僚が萩のお土産屋さんを物色している最中に、中年の女性たちが店員さんに「萩の月は置いていないの?」と何度も、何人も聞いていたそうだ。
そのたびに店員さんはとても申し訳なさそうに「ないんです」と答えていたとか。
萩の月。それは置いてないですよ、だってあれは仙台の銘菓だもの。
萩の萩の月。
なんとも明るくて平和でかわいらしいエピソード。
平和ってすばらしい。
そんなふうに思いながら、夏みかんクレープをぱくぱく食べた。