ダイビング仲間(といっても一緒に潜ったことはない)のMさん、Yさん、遅れて参加の会社の後輩Kと共に、西麻布の〝串花〟に行く。

〝串花〟はダイバーが集まることで有名な串揚げのお店である。
そして水中写真家の中村征夫さんも常連だと、お店を予約してもらったときに検索したので知っていた。

中村征夫さんは、ダイビングをはじめた10年ほど前から大好きな写真家。
本当に大好きで、写真集だって何冊も持っているし、ポストカードを年賀状がわりにしたこともある。
それくらい好きな写真家だ。

いくら常連とはいえ、まさかいないよねーと思っていたら、先に到着したMさんから、いま征夫さんが隣の席で呑んでいるよとメールが入る。
仕事は残っていたけれど、それどころではないので慌てて駆けつける。

それにしても長いあいだ憧れていたひとに会うというのは、なかなかどうして緊張するものですね。
もう自分ではないみたいに異常にどきどきしてしまい。
折角Mさんの厚意で隣の席をあけていただいたのに、気さくに話かけてくださる征夫さんにまともに応えられずに、ただひたすらどきどきどきどき。

ナポレオンフィッシュはかわいいと思うかどうかという問いに対して、素で「微妙ですねえ」なんて言っちゃったし…。あああ。
(征夫さんはナポレオンフィッシュが好きである)
緊張していない私なら、もっとまともな受け答えができたに違いない。

それでも憧れのひととお酒が呑めて、今夜はとてもいい夜だ。
〝串花〟の串揚げや料理はどれもおいしかったし、ご主人や奥さんともダイビングやフルーツの話で盛り上がった。
久々に会うMさん、Yさんはあまり話ができなかったけれども変わらずに慕わしいおふたりで。
なんだかとても嬉しい夜なのだった。