先週の金曜日。大学の先輩の結婚式2次会に参加する。
サークルの先輩で、1歳上の学年のひと。
とても頭がよくて、情にもろくて、クールになりたいんだけどなりきれないという感じの、いい先輩だった。

お式は先輩の故郷に近い春日大社で親族だけで挙げられており、なので金曜日は友人知人が集まってのお祝い会。


所要で遅れると思う、と幹事の先輩にメールをしたら。
来ないと一生後悔するよ、という内容の返信があり。
実際にその2次会は、見ないと孫の代まで後悔しそうな、それはそれは素晴らしい2次会だった。


なにしろ当の新郎本人が自分が主役だと知らずにやってくる、完全なシークレットパーティだったのだ。
私も友だちの誕生日などでシークレットパーティをしたことがあるけれど。
今回のは桁が違った。


まず新郎である先輩は〝会社の先輩の送別会〟だと思い込んで会場にやってくる。
会場であるホテルの広間には金屏風が置かれ、仕掛け人の一人である奥さまがひな壇に座り、100人以上ものひとが待っている。


なにも知らない新郎がドアを開けると、会場には祝い太鼓が鳴り響いていて(新郎の友人がふんどし姿で叩いていた)、威風堂々のメロディが流れ、大勢の来客の歓声と拍手が鳴り響き…。


会場を目の当たりにした新郎の、呆然。という言葉がまさにぴったりの様相。

ようやっとコトの真相に気づいた新郎は、「なんやもうー」と何度もいいながら、暫く頭をかかえていた。


壮麗な入場の後は、サークルの先輩たちが練りに練ったイベントが目白押し。
春日大社でお式を挙げた先輩に因み(?)、〝二人の共同作業〟が餅つきだったり、諸先輩方による奉納相撲があったり(新郎ももちろん相撲をとらされていた。ふんどしで)、社会人ラグビーの仲間らしいひとたちのチアリーディングが披露されたり。
これでもかというくらいの企画盛りだくさん。
さすがに来ないと後悔するよ、と豪語するだけあるものだった。


みんなその先輩のことが好きなんだなと思った。

そう思える集まりだった。
わいわいと騒ぎながら、なんだかとてもあたたかい気持ちになった。