末の弟の誕生日祝いをした。
これまでは毎年私が選んだものをプレゼントしていたのだけれど、
今年は弟の好きなものをあげようとふと思いたち、弟と買い物に出かけた。
末の弟と私は10歳近く年齢が違う。
そんな弟と歩く街はとても新鮮。
いつも行かない場所、入ったことがないお店。
あれが有名な○○、ここは××で最近流行っているお店。
そんなことを解説しながら軽やかに街を歩く弟は
私が知っている小さな弟とは全然違う。
私が小学生で、弟がまだとても小さかったころ。
ふたりで歩くといつも手をつなぎたがった弟。
あの少し湿り気のある、あたたかく小さな手のひら。
その感触をいまでもとてもよく憶えているけれど、
それはもう20年も前の話なのだ。
弟はずいぶんと迷った末に、普段づかいのバッグを選んだ。
それからふたりでいくつかのカフェを梯子し(2軒目のカフェでは、近くで働く友人と久々に会えた)、最後に晩ご飯をおなかいっぱい食べた。
駅までの帰り道。
ちょっと待っててね、といって弟は、一緒に住む恋人にお土産を買った。
餡子が入ったお団子の詰め合わせ。
弟の彼女は甘いものが大好きなのだ。
いいおとなになったなあと思う。
そういうこまやかな気配りができる、
大切なひとを大切にできる、素敵なおとなに。
そんな弟を、私はいつも誇りに思う。