ウィーンのカフェ、その1　#gloriette　グロリエッテ

シェーンブルン宮殿はとても広い。
ハプスブルク家の遺産を置いた王宮、ぐるりをめぐる公園、森林、動物園、植物園。
あるべき場所にあるべきものが整然とシンメトリーに配置されている。
ツーリストもいれば近くに住んでいるひとだろうか、ジョギングをしたり、幼稚園児の遠足といった風情のたくさんの子どもたちもいる。

さてその広大なシェーンブルン宮殿の上宮にあるのが、このグロリエッテ。
私は窓際のテーブルに案内してもらい、カフェメランゲ（泡立てたミルク入りコーヒー）を飲んだ。
とても天井が高い店内には、明るい日差しがさんさんと入ってきて、時折、あたたかい風が吹き抜ける。
大きな窓の先には王宮と、その向こうにウィーンの市街が見える。

旧いものと新しいものとが一枚の絵のなかに遠近法のように見渡せて、それはウィーンという街の特質を描いているようだった。