プラハ→ウィーン→ブダペスト間は、すべて鉄道で移動した。
スメタナ号とか、ちょっと素敵な名前のついた電車だったと思う。
プラハからウィーンは5~6時間くらい、ウィーンからブダペストは4時間くらいだったろうか。
指定席をとっていたのだけれど、そのほとんどを食堂車で過ごした。
食堂車。
私は食堂車が好きで、いまや日本国内からほとんど姿が消えたことを憂えずにはいられない。
ちいさなテーブルにきちんと白いクロスがかけられていて
電車の中なのにナイフとフォークがそろえられている。
あのホテルのように整然とした感じも、
奥ゆかしい雰囲気も、
そしてどこか場違いな感じも、なんだかたまらなく愛すべきものなのだ。
予備知識ゼロでユーロラインに乗り込み、パンフレットで食堂車を発見した私は、いてもたってもいられずにあっという間に食堂車に移動した。
そうして先ほど食べたばかりにもかかわらずブレックファストメニューをまた頼んだりした。
トーストをかじりながら。
ベーコン&エッグとヨーグルトを食べながら。
びゅんびゅん流れていく見知らぬ景色を見た。
食堂車はいい。
私はいま旅に出ている。
そのことをものすごく強く感じる。
スメタナ号の食堂車