一昨日、昨日と立て続けに。
かねてから行ってみたいと思っていたお店に行ってきた。


ひとつは四谷は荒木町にある寿司金。
もうひとつは三田のラ・バスティード。


鮨屋とフレンチ。
ジャンルはまったく異なるけれど。
どちらもあっという間にとても好きなお店になった。


好きなお店のこと。


私が好きになるお店には。いくつかの共通点がある。
まずは大前提としておいしいものが食べられるお店であること。
店主やそこで働くひとたちが自分の店と仕事に自負を持っていること。
(これは当然のようでいて意外とそうでもない)

そしてもうひとつ大切なのは。季節を感じられること。


子供のころは。
春になると近くの土手に野蒜を見つけ。秋には茸や山菜とりに山に入り。
夏には庭でつくる野菜を食べ。冬になる前に野沢菜を漬けた。
それが食卓に並ぶ。そういうところで私は育った。
そんな田舎で育ったせいだろうか。
それとも私の実家が季節の行事をかならずとりおこなう家だったからか。

私は季節を感じられることがとても好きだ。


旬の食材、器、調度品、花や木。
そこに設える、季節の移ろい。


いまは一年中なんでも食べられる。
その恩恵を享受している部分ももちろん多いけれど。
でもそれは幸せなようでいて。幸せではないことだ。
本当においしいものの、本当においしい季節。旬。
それが分からなくなってしまうのは悲しい。


旬のものしか食べさせない。
そのとき手に入ったものをおいしく食べさせる。

職人としての技とこだわりに。私は感服する。


旬をあらわす3つの言葉に。
はしり、さかり、なごりというものがあるそうだ。
不勉強ながら最近それを教えていただき。


季節をさきどりするはしり。
いちばん勢いが強いさかり。
過ぎ去りつつあるときを思い起こすなごり。


はしりに驚き、さかりに湧き、なごりを惜しむ。


それを知らせてくれる。感じさせてくれる。
そんな店を。私は大切にしたいと思う。