あるひとの日記に。
品川の原美術館に行き、そこにあるカフェでお茶をしたというくだりがあった。
美術館とカフェ。
私はこの組み合わせが大好きで。
好きな美術館は。だからたいてい素敵なカフェがあるところになる。
青山の根津美術館。恵比寿の庭園美術館。上野の芸大美術館。
そういえば。上野高校の近くにはプリンがおいしい喫茶店があった。
もうすっかり名前を忘れてしまったけれど。
あまり大きな声ではいえないけれど。
仕事のあいまに(正確にいうと仕事を休んで)
美術館にいくことが多い。それも突然。
平日の午後。
しんとした美術館で絵や彫刻や書を焼き物見る。
気になった作品は。
遠くから。あるいは近くから。
全部見終わってからもう一度。あるいは何度でも。
眺めつづける。
そうしてそのあとに。
併設されたカフェで。
のんびりとコーヒーかカフェオレを飲む。
本を読んだり、見たばかりの絵を思い出したり、ぼうっとしたりする。
その過程において。
たぶんいろいろなことをどんどん捨てていっているのだろう。
ゆるくほどけたこころには。
駅のホームの人ごみが。
いつもより少し重くてくらくらとする。