金曜日の夜。
いつものプロジェクト会議が終わって席に戻ると。
小さな荷物が届いていた。

差出人は、しばしば一緒に食事や旅行に行く同期の友人ABちゃん(微妙に伏字)。


お土産?と思ったものの。
彼女が旅に出たとは聞いていないし、ものを貸し借りする約束をした憶えもない。


なんだろう。と開けてみる。


するとそこには。
おいしそうなクッキーが入っていた。
やさしいねぎらいの言葉を添えて。


私は一気に嬉しくなる。
ABちゃんの気持ちが本当に嬉しくて。
本当に本当に嬉しくて。


だから早速、クッキーをほおばる。
ひとつ、そしてまたひとつ。
その度ごとに。
こころがどんどんほどけていく。


私はなんて素敵な友だちを持っているのだろう。
そのことがとても嬉しい。


誰かの状況を気づかい。
その状況や心境を慮って行動すること。
思いやりをもつこと。


それは子供のころ。
おそらく多くの人が有言無言のうちに教わり。
体得してきたことだろう。


でも。思いやりとひとことでいうのは簡単だけれど。
それを自然にできるひとはとても少ない。私を含めて。


ABちゃんとそのクッキーは。
とても大切なことを。
たくさん教えてくれる。今夜も私に。