私にとって特別な店というのはいくつかあって。
それは先日書いた〝フレンチ5軒〟 とは違う顔ぶれだ。
もちろん一部、リスト重複もあるけれど。


たとえば日参することもあるバーだったり。
隣町の和食屋さんだったりもする。
ここで紹介したこともあれば。
紹介しないと決めている店もある。
(それはその店にひとが増えてほしくないということではなく、その店につながる話を書けるこころの状態にないということだ。まだ)


ある一軒の店が特別な店になるのは。
たとえば一緒に行ったひと、連れて行ってくれていたひととの関係性によったり、あるいは店主やスタッフのかたとのコミュニケーションからくるものによったりすることが多い。


つまりそれは。
ひととひととのつながりから生まれる。
ということ。


最近、特別な店のひとつになったフレーゴリ にも。
ひとつの大きなきっかけがあった。


先日お邪魔したときのこと。
ほかのお客さまがいなくなったころに。
カウンターに座る私たちと、厨房でホールで片づけしつつお酒を飲みはじめた店主、シェフのおふたりとの会話が自然とはじまった。
途中、常連と思しき女性客がやってきて。
シェフは帰宅されたけれど、結局3時までみんなで話し込む。
食事をはじめたのが20時だから、延々7時間のディナータイム。


ご主人のレストラン経営哲学。
レストランで食事をするということ。その流儀。
フレーゴリで食事をするということ。その流儀。
そしてもてなすということ。もてなされるということ。好きな客。嫌いな客。


先日はそんなご主人とのお話が楽しくて。
どんどん時間が過ぎてしまった。
翌日が仕事でなかったら、朝までお付き合いしたいところなのだけれど。


うちの店の最高のもてなしはね。
実は○○なんですよ。
お酒が飲めないかたには××。


といって。
私たちは○○と××をもらった。


これは本当に。私にとって最高に嬉しいできごとだ。
気に入ったお店に。そのご主人に。
最高のもてなしをしていただけること。


さらに私はちょっとしたことからCDを数枚貸していただくことになり。
2週間以内に返してね。またね。と手を振るご主人。
ということは2週間以内にもう一度。フレーゴリに行くということ。

もちろん店主は、CD返しにきてくれるだけでいいよ、とは言ってくれたけど。

でも行ったら絶対に。食べたくなる。

だってそこは、フレーゴリなのだ。


あーそれね、ご主人の手だから。
と笑う常連女性のSさん。


手でもなんでも。
フレーゴリにはまた行きたくなるに決まっている。
2週間を待たずに。


それが。特別な店がうまれる瞬間。



(実際に2週間を空けずにフレーゴリに行ってしまった私。やっぱり嵌められている?)