先日、ラルテミス・ペティアントで食事をしたHさんとは。
もとをただすとclassic音楽つながり、ということにでもなろうか。
さまざまな分野に造詣が深いかたで。
私が思いつき(むしろ妄想)に近いレベルでいう数々のことに対して。
独特の口調で持論を展開してくれる。それもかなり多岐にわたって。
旅行後初の会合だったので。
なかでも音楽に関する旅の逸話を中心に話す。
ウィーンのオペラ座について。
ウィーンフィルの本拠地コンツェルトハウスで聴いたコンサートについて。
ベートーヴェンガングについて。
観光地でおこなわれるアマチュアコンサートについて。
オペラといえば。
私はヴェルディの歌劇、シモン・ボッカネグラという有名とはいいがたい演目を見たのだけれど。
えーっと見たのは、ヴェルディのシモ・・・といったくらいで、ああ、シモン・ボッカネグラですか、といわれた。
その名称がすらすらと出てくるひとはそうそういない。
しかもHさんはオペラが好きではない。
そんなHさんが最も好きなのはピアノ曲で。
1000枚近いという蔵CDの1/3がピアノ曲。
しかもシューマンとシューベルトのピアノ小品が大好きだ。
ということが、この数年来のつきあいにしてはじめて発覚した。
お会いするたびにクラシック音楽のことをさんざん話していたにもかかわらず、お互いのフェイバリットを話したことがないとは驚きだ。
Hさんは。
そしてシュトラウスのメタモルフォーゼンが葬送の曲ならば本望です。
とおっしゃった。
シュトラウスはあまり好きではないですが、メタモルフォーゼンだけは別格です。と。
うーん私はなんだろう。
そういうことは考えたことがなくて、一晩真剣に考えた。
真剣に考えた割に迷いなく浮かんだのは。
jazzでもピアノ曲でもなくて。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲だった。
それも。13番第5楽章のカヴァティーナだけ、エンドレスで。
ジュリアードカルテットばりのしつこい演奏で流し続けてもらえれば。
本望。かな。
オペラ座で借りたオペラグラス。
