昨晩はGBRダイビングクルーズの打ち上げ。
渋谷の汁べゑに行く。
雑居ビルのなかの迷路みたいな場所を抜けるとあるお店。
六本木にも同じ名前のおでんやがさんがあったけど、ここはおでんがないから別の店なのだろうか。


GBRにいた間、入れ替わりで何組かのひとたちとバディを組んで潜っていたのだけれど。
昨日会ったのはそのうちの1組。
新婚旅行中のカップルと、精神科のドクターSくん、そして私。


新婚カップルは。
ダンナさまが昨年骨折で入院し、その担当看護士が奥さまで。
病室に奥さまが入ってきた瞬間に一目惚れ。
退院する日にいきなりプロポーズ、数ヶ月後に結婚、そしてただいま新婚旅行中。というおふたりだったため。
GBRでは、馴れ初めからなにから散々のろけられていた。


幸せなひとの幸せな話を聞くのはいいものだ。


昨晩も。旅行明けにおめでたがわかったお二人を祝福し、さらなるこころあたたまる話をうかがう。

奥さんへの婚約指輪はダンナさんが手づくりし、裏側に名前まで彫っていたという話から発展し。
ロマンティックなサプライズが大好きというDr.S氏が彼女のためにしてきた数々のエピソードを聞く。


たとえば。
彼女の二十歳の誕生。真っ赤な薔薇の花を年の数だけ欲しいといわれたS氏は、まず19本を前日付けで宅急便で贈り。

残り1本を当日、自宅に届けに行ったとか。

(でも彼女は前日に贈られた本数など数えてもいなかったらしい)


当日のランチはラーメンを食べ、誕生日を忘れているフリをしつつ(この段階で彼女はプチ不機嫌になったらしい)、夜はおしゃれなホテルに泊まり、しかも枕の下に指輪を隠しておいたとか。
(でも彼女は枕の下の指輪には気づかなかったそうだ。ラーメンを食べる前にわざわざチェックインして仕込んでおいたのに)


彼女が寝ている間にネックレスを首にそうっとかけておいた、とか。
(でも彼女は翌日の昼間になっても全然気づかず、最終的には、ねえねえそのネックレスさあ~と自分からカミングアウトした)


誕生日に薔薇を3本贈り(また薔薇だ)、その根元を指輪で留めておいたとか。
(でも彼女は指輪に気づかずにそのまま花瓶に活けていたそうだ。しかもプレゼントは花3本だけなんだ、と怒っていたらしい)


うーん。
世の中にはこんな男性が本当にいるんだあ。
素敵だねえ。ロマンティストだねえ。
と。ひとしきり感心していたら。


でもナオさんだってロマンティックだよね。
だってそんなにダイビングばっかり行ってるのに。
〝モルディブは聖地なの、新婚旅行に行く場所だからそれまでは絶対に行かない〟とか言ってたよねGBRで。と言い返された。


ええ確かに。
言いましたとも。GBRで。


先日などは。大学のF先輩(毎年奥さまとモルディブに潜りに行っている)に。
早くしないと沈んじゃうよ、モルディブ。あはは。

と笑われた。


モルディブが海の下に沈むまでには。
さすがに新婚旅行は行っていると。思う。のだけれど。