友人からトレガーワークを受けた後、部屋に戻り。
恋人をピックアップ。
友人が予約してくれたkake-taに向かう。


今日は3人でディナーの日。

昨日釣ったミーバイが香草焼きになって出てくる。
白い大きなお皿にどーんと載ったミーバイ。


kake-taは、ここが西表だとは到底思えないような、それはそれは質が高い料理を出してくれる。
どれもこれも本当においしくてびっくりする。


3人でたくさんの話をし、おおいに笑い、語り合う。
島での暮らし、これからの世の中、私たちがしたいこと、すべきことについて。
楽しい夜を過ごす。


その夜は、翌日が満月だったこともあり。
いくつかの不思議なできごとを私は知ることになる。


月の力というのは本当に不思議だ。


たとえば夕暮れの道。
満月に誘われて海岸へ産卵に向かう大きな蟹が
海と平行して走る道路を横切っていく。次々と。次々と。


満月の道を。

海へ急ぐたくさんの蟹。


たとえばウミショウブ のこと。

島のひとが教えてくれたのだけれど。

その日は、西表にウミショウブが流れ着いていた日でもあった。


一年にたった一日だけ海を走るといわれるウミショウブ。
海面を埋める白い花。


実際には時間の関係で私は見ることができなかったのだけれど。
でもこれからは想像することができる。

海岸を埋めつくす白い花のことを。


自然をたくさん感じる島にいると。
ものごとが本来もっている力や、それに影響を及ぼす大きなものや小さなものをたくさん目の当たりにすることになる。
都会にいると隠されてしまうなにか。


西表最後の夜。
静かな部屋のテラスで。ひとり。
穏やかな海を眺めながら考える。


動いているようで動かされている。
そのことについて。


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マングローブの森。大きくて深い。