朝早く羽田を出る。
那覇で乗り換え、石垣からは小さなフェリーで西表へ。


島に着き、まずは港のそばの新八食堂でソーキそばとポークを食べる。


車を借りるかバイクを借りるか迷った末、車を借りることにする。
風が気持ち良さそうだからバイク。

と島に来る前は思っていたのだけれど。
起伏が多い地形と島の大きさを考えると、車でよかったと思う。結果的に。


車で宿へ向かう。
案内がほとんどない道でぐるぐると迷う。
迷うけれど空がきれいで。恋人と行く道はなんだか楽しい。


星の砂海岸にある宿に着く。
小さいけれど清潔で明るい部屋からは。
海と空が見える。
潮の満ち干きが目の前で繰り返される部屋。
波の音が聞こえる部屋。


今日からここで過ごすと思うと。
静かに幸せな気分が広がる。波のように静かに。


少し部屋で休んでから。

星の砂海岸でシュノーケリングをする。
きれいな海。小さくてかわいい魚たち。
海の水はあたたかく、ところどころ浅くなっているので沖でも座ることができる。
シュノーケリングをしては浅いところに座って休む。
温泉に入っているみたいだねといいあう。


シュノーケリングの後。
しばらく部屋のテラスで海を眺める。
ずっとここにいてもいい。そんな気分になる場所。


晩ご飯を食べに初枝へ向かう。
19時を過ぎていたと思うのだけれど、まだ夕陽が見える。
信じられないくらいに大きくて橙色が美しい太陽。


初枝は既に満席。
たまたま2席だけ、予約した方々の到着がかなり遅れるらしく。
その席に案内してもらえる。


カウンターで地魚の握りを食べる。
お鮨屋さんでは見たことのないしっぽの長い魚(ミヤコテングというそうだ)を焼いてもらう。


お腹がいっぱいになり、宿に戻る。
朝早かったせいもあり、そしてイラン戦が放映されていないこともあり。
いつの間にか寝てしまう。
恋人も、私も。


夜中。

星、むちゃくちゃきれいやで。

そんな恋人の言葉に起こされる。


眠かったけれど頑張って起きると。
その夜の満月に近い明るい月が隠れて。

そこにはあるのは、降るような星空。


流れ星をいくつか見る。
恋人と一緒に。


久しぶりに穏やかな気持ちが広がる。

この島に一緒に来れるのだろうかと。
来ていいのだろうかと。
とても悩んでいた。
東京での毎日のなかで。


でも来て良かったのだと思う。
先のことはわからないけれど。
いまはきっと。


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宿の部屋から見た星の砂海岸。