というわけで。
宮古島ダイビングツアーである。


所用で一日先に帰る私は2泊3日、みんなは3泊4日の南の島の旅。
男性4人女性3人の参加者たちは、ひとりひとりは友人や恋人や会社や大学時代のサークルでつながっているものの、半数以上がほぼ初対面。


にもかかわらず。
そうとは思えない不思議なまとまりと気ままさで。
とても愉快な旅だった。


宮古島は毎日が快晴。
海況も抜群によく、透明度は30~40m。

ブルーグリーンの海、そしてホワイトサンド。


毎日2本ずつ潜り、ダイビングの合間はボートでお昼寝やシュノーケリングをし、夜には街に出る。
ぶらぶらと連れ立って歩き、目に付いた店を冷やかし、コンビニに寄ってアイスを買う。

地元の料理を食べ、みんなはビールや泡盛を、私はウーロン茶やサンピン茶を飲む。
女子部屋に戻り、シャワーの順番待ちの間に恋愛トークなどをする。


そういうなにもかもがとても新鮮で。
そして楽しい。わくわくする。


こんなふうに連れ立って旅をしたことは、たぶん一度もない。
旅はたいていひとりか、恋人と、あるいは女友だちと。
そういうことが多かったから。


私が宮古を発つ前の日に、港で花火をする。
大きな袋にいっぱいの花火。


その夜は月が遠くにあったから。
星がとてもきれいで。
花火の後、誰ともなしに港にごろんと寝転ぶ。
寝転んで、星を眺める。
頭上に広がる天の川。たくさんの星たち。
流れ星がいくつか落ちていて。


ああきっと。
私はこの夜を忘れない。
そう思った。


友人と〝遅れてきた青春〟と、この行動や瞬間や気持ちを名づける。
大学生の頃のような、でも実際に大学生のときにはしなかったような。そんな感じ。


東京に置いてきた、あるいは過去の、
煩わしさ。悲しさ。重さ。そのすべてを。
殆ど思い出すことがなかった。


宮古の青い空の下で、海のなかで、仲間との笑いの渦で。

もうどうでもいいじゃーん。

そんなふうに思えた。

みんながそうだといいなと思う。この旅に出た仲間の。悲しいことぜんぶ。


たくさん話して、たくさん笑った。
こんなにも長い時間、お腹が痛くなるくらい笑ったのは久々のことだ。
仲間と過ごす、楽しい時間。


ひとりひとりが少しずつやさしさと気遣いを持ちより。
自分のしたいことをしながらも仲間を尊重しあっていた。
だからこんなふうに楽しかったのだろうと思う。
旅の後で。またみんなで行きたいねと言いあえるくらいに。


そうだよね。
また行きたいね。
そのときには私も。大盛り上がりで負傷者続出だったというウスノロバカマヌケ、参戦しようと思う。