台風が過ぎて、今日は抜けるような青空。
こういう日は本当に気持ちがいい。


子供の頃は、空はもっと真っ青だった気がする。
ここは東京だから、というだけでなく。
たとえば田舎に帰っても、空は昔より青くない。
薄い水色でぼんやりとしている。


今朝は久々に、子供の頃に見た空の青さに近かった。
背筋が伸びるような青。


昨晩は末弟と夜半まで話をした。
相談にのってほしいことがある、ついでに猫も見たいし、とやってきた弟。


私のアパートの庭には野良猫が子供を産む場所があって、代々で毎年夏に赤ちゃんを産む。
私がここに住んでから3回目の夏。だから今年で3代目の子猫。


弟と一緒に、親猫と4匹の子猫にごはんをあげる。
それからゆっくりとコーヒーを淹れ、弟の話をきく。


相談というのは。遠距離恋愛をしている彼女のこと。
ひとの気持ちを思いやるあまり、そして彼曰く〝男のプライド〟とやらが邪魔をするあまり、がんじがらめになっている弟。


本当に伝えたいことを、そのままの言葉で伝えてみたら?
だって大切なものを失うくらいなら、プライドなんてないほうがいい。


弟にそんなことをいう。
それはそのまま私への言葉。


そうだよね。わかった。
いまから電話してみるよ。
そして明日にでも、長野に帰ってくる。


少しすっきりした顔でいう弟。


弟とおやすみを言い合い、寝室でしばらく本を読む。
ほどなくして、隣の部屋から弟の話し声が聞こえる。
彼女との電話の声。


弟の気持ちが。
きちんと伝わるといいなと思う夜更け。