先週、会社の後輩たちと駄菓子バーに行ってきた。
恵比寿公園のすぐそばにあるお店。
駄菓子と縁日や屋台で食べられるような料理を肴にするショットバー。
店内のいたるところにおいてある駄菓子はすべて食べ放題で。
うまい棒やよっちゃんいかやラムネなどがかごや棚にたくさん詰まっていて、それを勝手に取ってきて食べる決まりになっている。
小学校の頃、私の家は〝買い食い〟と〝寄り道〟が禁止されていた。
おやつは家にあるものを食べること。
学校からはまっすぐ帰ること。
数多ある戒律のなかに、確かそんな項目があったように思う。
それが嫌だったかというとそんなこともなく。
おやつは手づくりのこともあればそうでないこともあったけれど必ず用意されていたし(大嫌いなかりんとうだけだと悲しい気持ちになった)、
家でおやつを食べてからなら友達の家に行っても良かったから、特に不自由に思ったり反抗的な気分になったことはない。
だいたい私の家は小学校の隣にあったから、寄り道しようにもあっという間に家に着いてしまうのだ。
おまけにわが家の小学生は一ヶ月のおこづかいが一律300円だったので、買い食いなんかよりももっと大事なときのためにとっておく必要があったのだ。なけなしのお小遣い。
だから近所に一軒だけあった駄菓子屋兼酒屋さんに子供たちが群がっているのを見ても、さして羨ましいとは思わなかった。
そもそも駄菓子というものの存在を知らなかったというせいもあるけれど。
駄菓子屋というものに初めて行ったのは、中学校になってからのことだ。
中学校の正門の前にあった駄菓子屋さんに初めて行ったとき。
なんだか少し悪いことをしている気持ちになった。
そして少し感激した。
色とりどりの大きな飴玉や、小さなチョコレートや、うまい棒。
世の中にはこんな素敵なものがあるんだということに。
小さな弟たちに食べさせてあげたくて、こっそりとお土産に買って帰ったこともある。
大人になったらお腹いっぱいうまい棒を食べたいなあ。それも大好きなチーズ味を。
中学生になったばかりの私は本気でそう思っていた。いまにすれば相当小さな夢だけれど。
そしてえびすの駄菓子バーで。
私は念願かなって思いっきりうまい棒チーズ味を食べまくる。
大人ってすごいよね。
そんなことを後輩たちと言いながら。