W杯予選が気になる金曜日の夜、友達と食事に行く。
恵比寿の「だだ」というおでんやさん。
雰囲気もいいし、おでんもおいしい。
味噌味のおでんというものをはじめて食べたけれど。
なんとも微妙な食べ物である。
でもとてもいいお店。水菜の梅味のおでんがとても気に入った。おだしがほんのりとしていい味。
今夜のサッカーのことや、共通の友達のこと、お互いの兄弟や両親のこと、価値観や、ひとりご飯は家で食べるのと外で食べるのとどちらが嫌かとか、恋人としたら楽しそうなことなどについて話し合う。
恋人としたら楽しそうなこと。
たとえば公園でお昼寝。お弁当と本とバドミントンのラケットと羽根を持っていく。
たとえば南の島でダイビング。もちろん水上コテージに泊まり、一緒に潜ったりする。夜はビーチに寝転んで星空を眺める。
たとえば家で料理をつくる。お互いに得意なものをつくりっこしたり、友達を呼んだりする。
たとえばサッカーを見に行く。ときには二人で、ときには友達も一緒に大勢で。
ふたりで、ああそれいいねえ。それ最高だねえ。
なんて言いあう。
そんな場面を想像して、相当うっとりする。
価値観が近くて、共通の趣味があって、お互いにお互いを信頼でき、時間をわかちあえ、やさしい気持ちを共有できる生活。
本当にそんな生活ができたらいいのに。
いますぐじゃなくても。いつか。
そんな話をしていたら。
なんと!
バーレーン戦がはじまっている時間ではないですか。
友達も私もかなりのサッカー好き。
家に帰っている猶予はない。ということで、スポーツバーのようなところに移動するも、チケット完売で入店すらできず。
お店の中からはサポーターたちの歓声が…。
ああ。私もそこでニッポンって叫びたいんですけど…。
仕方ない。
大事な一戦につき、見逃すわけにはいかないため、急遽タクシーで帰宅。
前半の前半でお互いの家に着いたことを確認する。
しかし友達は、満男のシュートを見たあたりから力尽きて眠ってしまったらしい。けっこう飲んでたし。きっと飲んでる途中から記憶がないに違いない。
たとえそうだとしても。
とても楽しい飲みの夜。
そして手に入れたいそんな生活は。
きっといつかやってくる。
大丈夫だよ。
そんなことを。
自分にも、そっと言ってみたりする。
なるようになるよ、きっと。