薔薇が咲いた。
アパートの壁一面をたっぷりとはう、赤と白のつる薔薇。
私が住んでいるアパートは、一年中花が絶えることがない。
4月の桜にはじまり、沈丁花、つつじ、薔薇、木蓮、林檎、紫陽花、金木犀、つばき、くちなし、梅、こでまり。
花木だけではなくて、季節に沿ってチューリップやマーガレットやゆりや水仙が花開く。
近くに住む大家さんが正確に手入れをして下さっているので、どの花たちもいつもとても元気。
植物を育てるのはとても好き。
土を入れて、種を蒔いたり球根を植える。
しおれた花をつまみ、葉についた埃を取る。水をあげる。
時には土を変えたり肥料を施す。
格別に愛おしんでいるわけではないけれど、
気がつけばそうしてもう10年も一緒の植物もいる。
度重なる引越しにも負けずについてきた植物たち。
手をかけすぎてもかけなさすぎてもだめ。
本来的に、植物は強いものなのだ。
もちろん存在を忘れてしまったら死んでしまうけれど。
それが、植物に対する私の考え方であり、ベストな接し方。経験的に得た知見。
これって人間と同じかもしれない。
そんなことに、ふと気づいたりする。ひとりの夜。
先ほどやっと仕事が終わり、家に帰ってきた。
明日、もしも早く起きられたら。
少しだけ旅に出てこようかな。