山アパートのこと/誕生日のお祝い。

昨日は大学の友達と食事。
またしてもヴァン・ピックルへ行く。
確か先週の半ばにも食べに行った記憶があるんだけど。まあいいか。
おいしいお店は何度行ってもいいものだ。
昔の仲間の近況や、仕事の話、それぞれの近況についてたくさん話す。

なかでも涙が出るくらい笑ったのは、ある先輩が住んでいたアパートの話。
その先輩は、大学からほど近いアパートに住んでいた。
そしてそういう場所に住む人の常として、
その部屋はサークル仲間のたまり場になっていた。
お風呂もトイレもキッチンも確か共同の、宿命的に古く汚いアパート。

アパート。
一般的に、アパートの部屋番号は数字の組み合わせだろう。
しかしその宿命的に古く汚いアパートの部屋には、すべて山の名前が付いていた。
たとえば白根とか黒姫とか妙高とか。ちなみに先輩の部屋は那須。
そして最高におかしいことに。
そのアパートの名前は「山アパート」といった。

山アパート！
なんですか、そのネーミング。
もう真剣にしびれちゃうでしょう。

でも当時はそれがおかしいとはそんなに思っていなかったのだ。とても不思議なことに。
山アパートってことは、海アパートっていうのもあるのかしらとか、
海アパートがあるとすれば部屋の名前は東シナとかエーゲとかなのかしらとか、
そしてそんな不思議な名前の不思議な部屋に住んでいたその先輩がいかに愛すべき人だったかなどと、友人と話し合う。
懐かしいな。あの頃、私も友達も先輩も。10代とか20代のそれもなりたてとかで。
たぶん今日のことと自分のこととほんの少しの周囲の人のことだけで精一杯だった。
でもとても楽しかった。今だって楽しいけれど、でもあの頃の輝きとはちょっと違う。
戻りたいと思ったことは一度もないけれど。でもとても懐かしい。とても。

今日は従姉妹が誕生日のお祝いをしてくれた。
川崎にあるフレンチ。
前菜の蟹のクリームスープが濃厚でおいしい。

従姉妹が手作りのビーズのブレスレッドをプレゼントしてくれる。
グリーンを基調に、光の加減でアメジスト色にも黒にも見えるビーズをあしらってある。きらきらしてとてもきれい。
偶然にもこの春の私のテーマカラーはグリーン。早速、右腕につけてみる。ぴったり。
そしてこのブレスレッドが彼女の初作品だとか。
最初の作品を私にと、そう思ってくれたことをとても嬉しく思う。