私をつくりそして支えるものとして、食と同じくらいに切っても切れないのが音楽である。

音楽。


人間が創造したものの中で、
それは料理とともに最高に素晴らしいもののひとつ。

物心ついた頃から、音楽は私の生活の中にあり、
そしていまも気が付けば、そこに音楽がある。

好きな音楽のジャンルは、と聞かれるととても困る。
その時々、気分によって求めるものや心地の良いものは違うから。
もともとはclassicなのだけれど(何しろ朝食の時にclassicを流す、あるいはNHK-FMをヘビーチューンする家で育ったのだ)、rockも特にukやsouthernはよく聴くし、j-popも聴く。jazzもbossaも大好き。
というよりも。好きだと思える音楽たちがたまたまそのジャンルに収められていた、とうのが正しいのだけれど。

swedish popにacid house kingsというユニットがある。
club8が源流のこのユニットは、さらさらとした水の流れ、あるいは晩春や初夏のそよぐ風が浮かんでくるような、本当にきれいな心地のいい音楽をつくる人たち。
中でも好きな「mondays are like tuesdays and tuesdays are like wednesdays」というアルバムは、この季節になると毎年ローテーションで聴いている一枚。

そしてこのアルバムを聴くといつも思い出すのが、
湘南の、ある一軒のカフェのこと。

そこは鵠沼海岸の駅前にある、i/ocafeという小さなカフェ。
白を基調にした、木質感があふれる店内。

湘南の明るい日差しがたっぷりと注ぐ窓際の席に座り、
本を読み、あるいはマシンを持ち込み企画書やhtmlソースを書きながら、
私は鵠沼海岸での2年間を過ごした。
ジューシーなベーコンがどっさりのサンドウィッチ、そしてコーヒーを片手に。

もう辞めてしまった心やさしい、輝ける笑顔が素敵な女性スタッフと
自分のカフェをこよなく愛する少し情熱的な店主とが紡ぎ出す、心温まる空間。

おいしい食べ物、そしておいしいコーヒー。
それがi/ocafe。

多分、いまもあの雰囲気は変わっていないだろう。
そしてこれからもきっと変わらないだろう。
そう思っていたいと感じさせる何かが、i/ocafeにはある。
穏やかに晴れた日にとてもよく似合うカフェ。

#i/ocafe[鵠沼海岸]