鎌倉駅のそば、小町通りを少し入ったところに
ミルクホールというカフェバーがある。
'74年にオープンの、鎌倉が好きな人、鎌倉で育った人なら、きっと一度は足を運んだであろうお店。
私も最初は鎌倉好きの友人に教えてもらった。
以来、大佛茶廊
や報国寺
のお茶処と並んで好きな場所のひとつになっている。
ここはいわゆるアンティークカフェ。
しかしそんじょそこらのアンティークカフェと一線を画し
この堂々としたミルクホールを形作るのは、
恐らくは古都という場所と、そこでアンティークを使って表現することの使命感。
古いものをそのまま用い、あるいは修繕し、新しい力を少し乗せて再生する、ものづくりの精神。
ほの暗い店内は黄ばみを増した漆喰の内壁と天井、
深いこげ茶色の腰壁とモールディング。
古い家具が重厚さを醸し出す。
カップやプレートもアンティーク。
骨董品店を併設し、店先で時に蚤の市を開く。
低く流れるスタンダードジャズ。
無関係に呼応する店内のさんざめき。
恋人と。友達と。夫と。妻と。あるいはひとりで。
ゆっくりと訪れてたたずみたい。
それがミルクホール。
写真は同HPより。バーコーナーです。