最近、あまり食べ物について書いていない気がしてきた。いけないいけない。

今日は初心に還って、久々に食べ物について話そうと思う。
懐かしい食べ物について。


鹿島スタジアムに行ったことがあるだろうか。


茨城県にあるこのスタジアムは、鹿島アントラーズのホームスタジアム。
スポーツを見るのが好きなので、野球やサッカーなど、数々のスタジアムに足を運んできたけれど。
ここほどスタジアムとして好きな場所はない。


高速を降り、田園地帯を抜けると、遠くにスタジアムが見えてくる。
大きくて、優雅なスタジアム。
スタジアムの3階に登ると、大洗海岸とその先にどこまでも広がる海が見える。
だからいつもたくさんの階段を登って海を見た。ゲームがはじまるまでの時間。


吹き抜ける潮風。
明るい空に映える緑色の芝。
ベンチから空を見上げると、ぽっかりとまるく切り取ったように見える。美しい空。


ゲームがある日。
鹿島スタジアムはちょっとしたお祭りになる。
街中のひとが集まってきたのではないかと思えるくらいのにぎやかさ。
スタジアムの中や外に、地元の自治会や食肉協会がたくさんの屋台を出す。
串カツ、串焼き、焼き鳥、焼きそば、カレーうどん、豚汁、もつ煮込み。
その食べ物の充実ぶり、味の良さ、売る人たちの気持ちの良さは、他のスタジアムとはちょっと比較できない。


キックオフよりも随分と早い時間からスタジアムに入り、数多ある屋台をはしごする。
長い長い行列にじっと並ぶ。
絶対はずせないのは、なんといってももつ煮込み。これも屋台によって味が違う。
人気の屋台は大行列。ゲームの前に売り切れてしまうから、うかうかとしていられない。
両手にいっぱい食べ物を仕入れて、それから席でゆっくり食べる。


腹ごしらえが終わるころ。
ぴりりとした緊張感がやってくる。
もうまもなくキックオフ。
いまはもう行くこともない、懐かしいスタジアムの空気。


そして今年はアントラーズが1位独走中。

がんばれ、アントラーズ。


#鹿島スタジアム[茨城県鹿嶋市]