突として生まれる湖水浮かぶ月
        蛙の歌も天から地から


年ごとにおしゃべり上手になっていく
  おねだり合いの手 にゃん にゃあ ん~ あん


色褪せて香りも失せて音もなく 

      散りゆくことをただ善しとして 



家の片づけをしていて “ものには寿命があること” について思いました。
壊れること命尽きることは、なんて慈しみ深いことなのだろう。
亡くなる直前に会いに来てくれたおばあちゃんのことばを思い出しました。

「まだ逝きたくはないけど、次の人たちが生まれてこられないから、もう行くね」



ひそやかに笑み穏やかに幕を引く  

       ひらく双葉に目を細めつつ



見えぬ塵この身にすべて降り積もれ
         幼き頬にはどうか触れずに

母くの字 子は大の字で 夏の夜

           短歌ぢゃないようですが…
絶え間なく心を乱す風波に
     「死ぬまで生きる」と笑ってみせて
またひとつ真珠(まだま)の羽は抜け落ちて
          見知らぬ色のつばさを眺む


肌よりもココロの艶が消えていく
          高価なサプリ揃えてみても

手の中の七色八色まゆ珠の
        するり解けて手繰る間もなく

天宮(てんくう)の美雲に溶けし絹糸の
        雨や降れ降れ母さんの手に 

 

 

神さまと言の葉交わすまゆ玉の
         真綿の声のぬくもりを抱く 

息の仕方思い出そうとする我を
         我は観ている教えもせずに

やり方は山ほど知ってるやらぬだけ
         やっぱり無理とやらぬうちから

歩くたび考えている言い訳の
         数増すほどに軽くなる生