南砺男子のアメブロ~なんとだんしのあめぶろ~

南砺男子のアメブロ~なんとだんしのあめぶろ~

南砺男子とは、南砺の「魅力発信」プロジェクト。南砺で活躍する男性らの「格好(かっけ)ぇ~」を発信する。自然、歴史、文化、産業・・・様々な魅力のあふれる南砺。それらに携わる「南砺ならでは」な人びと(男性)を、「格好(かっけ)ぇ~」をキーワードに集め、発信する。

Amebaでブログを始めよう!
坂井さんは、タバコの葉、干し柿を生産していた農家に育ち、小さい頃から農業に接してこられました。ログログファームとしての取り組みは、タバコの葉、干し柿の生産以外の閑散期に葉葉物野菜の生産を始めた頃に開始されたそうです。

ログログファームでは、毎週、県内・関東・関西の会員に向けて野菜の詰め合わせを発送しているのですが、この野菜の詰め合わせ「南砺!こだわり野菜便」は、有機JAS認定農家である坂井さんが、季節ごとの旬なおすすめ野菜を、生産から袋詰め、箱詰めまでを一貫して実施。

特にこだわりは、化学肥料を使用せず、自家製米ぬかぼかし肥や自家製液肥を使用したり、化学合成農薬は不使用を原則とし、自然農薬を散布して防除を行ったりしていること。そして、発送日に収穫すること。このこだわりは、食卓に「安心」と「安全」と「美味しさ」を届けることを、一番大切にしたいという思いから。

有機JAS認定を受けるということは、当然労力が増える。でも、有機JAS認定を受けたから生産量が格段に増えるとか、販売価格が高くなるというものではない。

なのに、有機JAS認定を受けた理由とは?

「とても単純。農薬かける作業をすれば、自分自身にも農薬がかかるし、自分自身が農薬のかけられた野菜を食べたくなかったから。」と坂井さん。

こだわりは、「南砺!こだわり野菜便」の会員数にもある。坂井さんは、積極的に会員数の増加を目指していない。坂井さんは、「会員数よりも、会員の方々の満足が一番」だという。

「いまは、地元(農家)直送、無農薬、味、見た目・・・色々なことにこだわりが必要。『○○だから!』だけで売れる時代ではない」とも。

「求められるものを作りたい」という坂井さん。そのためにも、「ウチと同規模の農家が集まって、取り組めたらいいんだけどなあ」と、若者などによる新規就農者確保への取り組みなどにも思いを巡らせる。

野菜作りは、「日々育つ姿を目の当たりにできることが、何よりも嬉しい」と、坂井さん。まさに、手塩をかけて育てられた、坂井さんちの野菜たちは、今日も南砺から「安心」「安全」「美味しさ」を食卓に届けています。

坂井晋さん
坂井晋さん①
坂井晋さん②
野菜苗
坂井晋さん③
美味しい野菜
坂井晋さん④


山田さんは、石川県のとある温泉宿での修行を経て、現在は家業の温泉旅館にて、料理を担当しておられます。

いずれ家業を手伝うことを前提に、修行に出ておられた山田さん。いざ修行を終え家業を手伝うこととなって、色々と戸惑いがあったそうです。

例えば、規模の違い。
修行をしていた温泉宿は、とても有名で、規模も大きい温泉宿。食材の仕入れから下準備、実際の料理まで、とにかく量が物凄かったそうです。大鍋で、何十人前、何百人前を毎日のように手掛けておられたので、料理における基本的なものさしも、当然大きくなってしまっていたそうです。
ところが、家業の温泉旅館では、数人前から十数人前が主流。修行時代と同じ感覚では、味付けの仕方や加工の手順など、色々な部分でこれまでのものさしが通用しないことがあったそうです。

それと、立場の違い。
これまで修行していた温泉宿では、料理のことだけに注力出来た。でも、現在は将来家業を継承する立場として、経営のことについても色々と関わっているそうです。食材を仕入れる時も、「良いものだから高くても」ではなく、「良いものをいかに安く」や「安価だからそれなりの味ではなく、いかに食材の持ち味を引き出し、美味しく料理するか」など、コストも意識したうえで、食材や料理方法と向き合っているとのこと。

なんと!家業の温泉旅館の休館日は1月の1日と2日のみ。2日も午後からは3日からの営業の準備が始まる…。ほとんど休みが無いとおっしゃるので、貴重な休みの日は何をしているのか興味が沸き、伺ってみました。

『休みの日も、時間があれば新作メニューづくりや新たな料理方法を試したりしていますね。』

このこだわりは、どこからくるのか?と思っていると、続けて山田さんは、

『地元の旬の食材を使った料理で長年温泉旅館を営み、親・子・孫のような何世代にも渡って通ってくださるファンもいる。特に当旅館は「山菜と川魚の宿」として、皆様に支持されている。食材が豊富に採れる時季は良いけれど、食材が無い時季こそが、大切。食材が無いからと諦めるのではなく、どうすれば少しでも長く食材を楽しんでいただけるか、勿論美味しく。そのために、保存方法や料理の工夫など色々なことを常に考えています。』

お話を伺いながら、輸入品や加工品といった手軽な食材も豊富にある現代、あえて地元の食材にこだわることの難しさを感じました。

でも、そんな難しさも、『自分で山へ採りに行けば、旬を常に感じられるし、なによりコストも抑えられるしね』と笑って話す、山田さん親子。

地元の食材、保存の方法、料理の仕方、湯治場として始まった温泉旅館の歴史、ファンの期待に応える…色々なことに、あえて「こだわる」山田家の皆さんです。

山田圭祐さん
山田圭祐さん①
父であり社長の晃さん
山田圭祐さん④
収穫された山菜
山田圭祐さん③
収穫用の道具
山田圭祐さん②
中島さんは、元々は和の料理人。
そんな和の料理人の中島さんとそばとの繋がりは、突然やってきたそうです。

それは、利賀地域が、まちおこしを「そば」を活用して行うことを決め、利賀地域内各所にそばをテーマにした施設やイベントの開催を計画していたときのこと。

「そば屋を開業せよ」という特命が中島さんに下り、中島さんの料理人人生は180度変わる。それまでの和の料理人からそば職人となるべく、修行の旅へ。福島県会津にて数年の修行を経て、中島さんは現在の「利賀そば なかじま屋」を開業することとなったのでした。

もともと利賀地域の活性化などに強い関心を抱いていた中島さん。利賀地域の活性化に協力したい、利賀地域をなんとかしなければ・・・という想いで、そばと向き合うこと25年。いまの「利賀地域とそばの関わり」について尋ねてみました。


『利賀地域で「そば」といえば、「そばがき」のことで、普段はそばがきを食べていた。おめでたいことがあった時には、一般的な麺状の「そば」を食べた。各家々では、ここぞとばかりに「そば自慢」をしたもんだ。』

『そばを作り(そば粉を挽き)、そばを打ち、酒を飲みながらそば談義をする・・・そんな文化が利賀には元々あったんだ。』

このお話を伺いながら、思い出したことがありました。以前別の機会で利賀在住の名物ばーちゃん(あえて親しみを込めてこう呼ばせて頂きます)が、

『そばを打つとなれば、何日も前から準備が始まる。まずは、石臼でそばを挽くことから。手作業だから時間が掛かったもんよ。しかも、利賀のそばは、そばの殻も混ぜて石臼で挽くから、力もいるし・・・。』

地元にあるもので、最大限のおもてなしをする。
「そば(そばがき)」が「そば(麺状)」になることの意味、利賀地域とそばの関わりの強さをあらためて感じました。


さて、利賀地域でそばと向き合い、地元でとれる山菜などの食材を活用したメニューでファンを獲得してきた中島さんは、和の料理人からそば職人になったのと同じくらい、大きな転機を迎えておられました。

これまでの待ちの姿勢から、攻めの姿勢へ。

まずは、そばを活用したスイーツの開発。
既に、そば茶プリンなどを「そば屋のプリン」としてスイーツを展開し、食事をされた方の多くが、注文をするヒット商品に。

続いてが、キッチンカーによる「そばカフェ」の開店。
利賀を飛び出し、南砺を中心とした各地域のイベント会場へ出掛け、「そばカフェ」を展開することに。
これには、ある狙いがあるそうです。尋ねるとこんな答えが・・・

『「情報交換」が重要なんやちゃ。』
『出掛けていくことで、色々な地域の人びとと交流が出来、様々な情報を得ることが出来る。人との繋がりも生まれる。』

利賀地域を想い、人生を掛けてそばと向き合う中島さんは、SNSなどのツールも上手に使いこなし、情報発信をされる「イマドキ」な部分もしっかり持ち合わせる。
中島さんの「攻め」は始まったばかり。もしかすると、お出掛けされたイベントで中島さんのピンクのキッチンカーを見かけることが増えるかも。是非、ピンクのキチンカーを見かけたら、覗いてみてくださいね。

中島信隆さん
中島信隆さん③
中島信隆さん②
中島信隆さん①
蕎麦打ち道具
蕎麦打ち道具
美味しいお蕎麦
お蕎麦