然程興味はなかったんですが、あまりにも評判がよく、「見に行かないといけないか・・・。」と、思ってしまったので、見てきました。

ALWAYS-三丁目の夕日-のHP:http://www.always3.jp/

出演は、吉岡秀隆、堤真一、小雪、薬師丸ひろ子等、他多数です。いろんな人が、ひょこっと出てくるところが、見ていて楽しかったです。

感想から言いますと、まあまあです。
日本の戦後復興期の人々の日常生活で起こる出来事が、日本人の多くが感じる郷愁を誘う風景の中で、描かれているの映画です。映画を見ながら「懐かしい・・・。」と、思うんです。そこが、この映画の良さです。

しかし、私はあまりそうは思わなかったんですよね。あの時代には生きていませんが、生きていなくても、昔の日本っぽさを十分見せているにも拘わらず・・・。理由は、ちょっとわざとらしいところです。なんだかわざとらしい。不自然さも若干感じるですよ。そこがね~、郷愁にどっぷり浸れない点ではあります。ちょっと見せ方が、「どーだ獵」って、感じがしたからかなぁ。野良猫が道端に、ただ座ってる時、にゃ~とは、鳴かんだろ殮 犬も走りながら鳴かない獵 その演出に古すぎると、突っ込みたくなりました。

もう一つのこの映画の魅力は、泣かせる映画であるところです。しかし、うるうるはきましたが、泣けなかったです。正直、よくある泣ける話なんですよ。昔のTVドラマを思い出しました。登場人物が、荒っぽさや厳しさがある、愛情あふれる人々です。その優しさや、暖かさに感動しますが、本当に昔は当たり前のことだったのに、今はそれが失われつつあるのかと思うと、逆に、殺伐とした現代が怖いと思いました。


以下、一応ネタバレ注意囹


正直、映画にした意味が分からないです。ドラマじゃダメだったわけですかね?CGを使いたかったからって、訳じゃないですよね?連続で見せるには、話が薄いって訳じゃないですよね?何故だろう・・・。


この時代のヒーロー力道山が、テレビで出てきます。みんなテレビに夢中になって、力道山を応援するシーンがありますが、映画の「力道山」(ソルギョング主演)を見た人は、裏力道山知っているため、純粋にヒーローとして、見れなかったのではないでしょうか。少なくとも、私は、「本当は、違うんだよ獵」と、心の中で思っていました秊

出演者の演技ですが、みなさんよかったと思います。堤真一の、今までにない演技を見られたのは、よかったです。

一番の泣かせどころ、吉岡秀隆演じる茶川竜之介は、ひょんなことから、赤の他人の淳之介という子供の面倒を見ることになり、面倒を見ます。初めは、面倒見ることを嫌がって、淳之介に冷たかったですが、段々と二人の生活に馴染み、淳之介が、淳之介を捨てた母親に、黙って会いに行き、いつまでも帰ってこない淳之介と友達の一平を、ものすごく心配したり、淳之介を喜ばせようと、サンタクロースにプレゼントを持ってきてもらうよ、演出したりと、いつの間にか、家族になっていきます。そんな時、淳之介の父親が、淳之介を引き取りにきます。ものすごいお金持ちで、売れない作家の竜之介とは、雲泥の差。竜之介は、淳之介の幸せを思って、厄介払いができて清々するなどと、強がりを言います。しかし、淳之介が去った後、淳之介のお礼の手紙を見て、後を追いかけます。必死に走り、途中でつまずいて、倒れてしまします。倒れたまま悲しみのあまり、立てずに泣き崩れているところに、淳之介が戻ってくるという展開です。

正直、話としては、よくありますよ。それはいいでしょう。問題は、見せ方ですよ。見せ方も、目新しさはなく、普通です。泣き所だけに、何かもう一つ工夫が欲しかったかなぁ。

三種の神器とか力道山とか、あの時代は、大多数が貧乏で、優しい時代だったんですね。それこそ、性善説が成立していた時代だったんですよ。みんな戦争で、何もかも失い、どん底からスタートしたんですよ。前を向いて、一生懸命働いて、もっといい暮らしをしていくことしか、なかったんですよ。そして、どん底から始まったから、それ以上落ちる事もないですよ。真面目にやれば、何とかなった時代ですよ。みんなが幸せと思うことが、同じだったんですよ。幸せと思う価値観に、迷いがない。今の東南アジア諸国がそんな感じですよね。今の時代、何が幸せか、一人一人違っていて、同じ方向を向いていないです。それが悪いことではないし、昔に戻ることも出来ません。ただ、昔とは「違う」んです。だらこそ、この映画は、人気があるのではないでしょうか。

深く考えれが、深~く考えてしまう映画ですが・・・。