2025年を振り返って
今年は、私にとって「これまで」と「これから」が確かにつながった一年であった。市長として積み重ねてきた歩みの延長線上に、挑戦と継承が同時に立ち現れた年だった。
地域包括ケアや小規模多機能自治、公共施設再編、有機給食や農林業の持続可能性など、暮らしを支える足元の政策に向き合いながら、市民一人ひとりが地域の未来を語る姿に、南砺が育んできた「土徳」の力をあらためて感じた一年であった。
未来に向けた象徴的な動きも重なった。ゴールドウインによる「プレイアースパークネイチャーリングフォレスト」や「アレモア」という事業が着工し、自然と人、旅と産業を結ぶ拠点づくりが現実のものとなった。また、データセンター誘致の取り組みが本格的にスタートし、豊かな水と冷涼な気候、災害に強い地域特性を活かした新たな社会基盤づくりが動き出したことは、地方の可能性を示す大きな一歩である。
2025年を象徴する出来事として、白川郷・五箇山世界文化遺産登録30周年や大阪・関西万博への出展が挙げられる。世界遺産サミットの開催では生きる遺産として保存と活用を語り合えた。また万博では小松九谷と井波彫刻が手を携えた「山門 森羅万象」は、伝統が単なる保存ではなく、時代を超えて進化し得ることを世界に示した。これは南砺のものづくりが持つ精神性そのものの発信であった。
さらに心を打たれたのは、万博での五箇山民謡に小・中・高校生が参加し、世代を超えて舞台に立った姿である。唄と踊りが暮らしの中で受け継がれ、次の世代の身体に刻まれていく。その光景は、まさに「生きた文化遺産」であり、私はこれこそがレジェンドだと強く感じた。
地域公共交通の背骨であるJR城端線・氷見線再構築事業がスタートしたことも大きい。
合わせて定期バスやタクシー、公共ライドシェアなど組み合わせて誰でも移動しやすい公共交通を構築したい。
個人的には、松村謙三顕彰会訪中団の団長として中国を訪問し、日中友好の原点に立ち返る一年でもあった。井戸を掘った先人の志に学び、「飲水思源」の心を胸に、人と人を結ぶ民間交流の尊さをあらためて噛みしめた。
また、人口減少による社会課題が見えてきた。地域医療においても人材不足や人口減少による収益性などの面でも難しさが顕著となり、二つのの文化を持つ公立病院の今後の在り方を提案した。
砺波医療圏としてこの課題を共有していくためにも南砺市として二つの病院の機能分化やへき地医療の体制づくりに向けて決断しなくてはならない時期が来た。
2025年は決して到達ではない。しかし、これまで培ってきたものが形となり、次の世代へ確かに手渡された年であった。
南砺の未来は、今日の小さな一歩の積み重ねの先にある。その確信を胸に、私は次の一年へと歩みを進めていきたいと思います。
今年一年ありがとうございました。