日本臨床矯正歯科医会が、10代~50代の男女計1,000人に「歯並びと矯正歯科治療」に関する意識調査を行った所、次の結果が出ました。

「歯並びで第一印象が左右されると思いますか?」との問いに、20.4%が「思う」、52.2%が「やや思う」と回答し、合計72.6%の人が第一印象における歯並びの大切さを感じているという結果となりました。

また、歯並びの重要性は認識しているものの、「ご自身の歯並びに自信がありますか?」との問いに対して「自信がない」が22%、「あまり自信がない」が24.2%で、合計46.2%の人が歯並びに自信を持っていない現状が浮き彫りになり、「歯をみせて笑うことに抵抗を感じますか?」との問いに、「抵抗を感じる」は8.1%、「やや抵抗を感じる」は17.8%で合計25.9%となり、4人に1人は笑顔に自信が持てていない現状が明らかになりました。

そして、3050歳代の男女400人を対象として実施した、別の意識調査では、女性の2人に1人が笑う時に口元を隠す経験があり、第一印象で好印象だと思う笑顔は、歯を見せた笑顔」と回答した人が6割以上であった。

 

さらに他国はというと、「(もともと)歯並びが良くない人」の割合は、日本61.0%・アメリカ58.0%・中国71.5%で各国大きな差はありません。しかし、そのうちの矯正治療受診率は、日本21.3%・アメリカ50.0%・中国23.8%でした。

また、歯並びが良くなく未治療の人のうち「治療したいと思う人」の割合は、日本54.2%・アメリカ79.3%・中国85.3%で、日本は海外に比べて矯正治療受診率・治療意向ともに低い結果となりました。

さらに、「自身の歯並びについて歯科医に相談したことがあるか」という問いには、日本23.5%・アメリカ67.5%・中国74.5%が「相談したことがある」と回答し、日本では歯科医への相談すらも一般的に行われていない実態が明らかになりました。(矯正歯科ネットより抜粋)

 

このように日本人の多くは、歯並びが第一印象に与える影響の重要さを認識しており、苦労している経験があるにも関わらず実際の矯正治療受診率はまだまだ低いのが現状です私達は、これらの現状を変えていく使命があります。日本人にとって必要な治療である矯正治療がもっと身近になるよう今後も啓蒙してまいります。

 

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前歯の咬み合わせが「受け口(反対咬合)」だと、その後、咬み合わせのズレが出る可能性があります。逆に、いわゆる「出っ歯(上顎前突)」では、転んだ時などに前歯をぶつけて折ってしまう危険性も高くなります。また、いつも舌が上下の前歯の間から出ている開咬という状態は、顎が変形してしまう顎変形症を引き起こす恐れもあります。

もう一つ、形態的、機能的な状態によるものの影響として、社会心理的な影響も見逃せません。小学生、中学生などの感受性の強い学齢期において、歯並び・咬み合わせや顎関節の不具合はお子さんの性格形成に影響を与える恐れがあります。さらに、成長するにつれ自分に対する自信や他人への印象を気にする、など大きな影響を及ぼすかもしれません。

歯や口の中の健康は、保護者の方がお子さんと一緒に直接目で見て確認出来る数少ない領域です。歯や口の健康が、体や心の健康に影響を及ぼし、健やかな成長発育につながります。ですが、保護者の方の立場では、客観的にお子さんの健康状態を見極めることは難しいでしょう。

だからこそ、必要に応じて専門医に相談して頂きたいのです。大切なお子さんの健康な生活のお手伝いが出来れば幸いです。

下記に、お子さんのチェックポイントを列挙致しました。該当する項目がある場合や、少しでも気になることがありましたら、当院までご連絡下さい。

 

※小学校低学年のうちにチェックしておきたい歯並びと咬み合わせのポイント※

□乳歯のさらに奥に生えてくる6歳臼歯(第一大臼歯)が正常に生えてきていますか?

□上の2本の前歯の間にいつまでも隙間が残っていませんか?

□乳歯の前歯がいつまでも抜けずに残っていませんか?

□側切歯(前から2番目の永久歯)の生えてくる場所がなく、裏側からはみだすように生えていませんか?

□前歯の咬み合わせが上下で反対(受け口)になっていませんか?

□上の前歯と下の前歯の間に下の唇を巻き込んでしまうような前後差はありませんか?

□奥歯を咬み合わせたとき、上下の前歯の間に大きく隙間は空いていませんか?(生え途中の歯を除きます)

 

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日本歯科医師会と厚生労働省が提唱している8020運動はご存知の方も多いと思います。80歳で20本の歯を残しましょう、すなわち一生ご自身の歯で過ごせるようにしましょうというものです。
では、これを達成するために必要なこととは何なのでしょう?

実際に8020を達成した人はどのような咬み合わせなのかを調べた研究では、8020達成者の84%が正しい咬み合わせであり、反対咬合(受け口)や開咬(咬んでも上下の前歯が当たらない)をはじめとして、上下の歯が正しく咬んでいない状態(不正咬合)の方はいませんでした。また、8020達成者の咬む力は、正しい咬み合わせの20代の成人と比べて遜色がなかったという結果も出ています。つまり、歯並びと咬み合わせが良いことは歯の本数だけでなく、咬む機能も維持されることにつながるのです。
さらに、歯並びと咬み合わせが良ければ、お口の中が汚れても唾液の力によって自浄作用が働きやすく、ブラッシングなどのお手入れもしやすくなり、その結果、虫歯や歯周病になりにくくなります。さらに、それぞれの歯にバランスよく咬む力がかかることで、歯や歯茎や顎の骨の寿命を延ばすことにつながります。

歯並びや咬みあわせを良くするには矯正治療が必要です。日本矯正歯科学会では、前歯が生え変わる7歳くらいに歯並びや咬み合わせの相談を受けることを推奨しています。また最近では、成人になってから矯正治療を始める方も多くいらっしゃいます。通常、矯正治療には年齢制限はありませんので、気になった時点で歯科を受診し、相談を受けるようにしましょう。相談をしたから必ず矯正治療を開始しなければいけないというわけではありませんので、お気軽に受診することをお勧めします。

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