母は12年前80歳という年齢で、レベル3bだけれど高齢だから進まないでしょうと主治医に言われた。

同じ医師に乳がん全摘で執刀された叔母も、その当時5年間何の治療もせずに、検診だけ受けていた(今も元気)。

母にとっては身近に元気な見本が居たので、医師のお言葉はとても嬉しかったと思う。


それから半年後の再発時には、当時最先端だった免疫療法の効果を試し、その後は分子標的薬のハーセプチンと共に抗がん剤治療2種を受けたのだ。


私は母の意思を尊重したのだからそれでよかったと思ったけれど、自分が今一つ一つの症状や辛さに右往左往していることを考えると、もっと調べてあげるべきだったと思う。

特に、弟は高齢の母は大病院の実験材料になると当初から治療に反対であった。

当初主治医は全摘すれば大丈夫、再発したら当時の最先端の治療法を試すから大丈夫と不安な本人を説得し、認知症が進んだからと治療をお断りした際には、高齢者のがんは進むのが遅いのでむしろ元気になれるだろうとまでおしゃった。

それから4年間、母は自宅で父の介護をし看取り、自分は介護施設で肺や大腸への転移がんで亡くなった。

父は、がんセンターで寝たきりで治療したいですかと言われただけでがん告知はなく、何もしないで最後まで認知症にもならずに自宅で亡くなった。

確かに肺癌で治療しない選択は、いつも苦しそうで辛かったとも思う(主治医は漢方薬など緩和治療はしていた)。


母を見ているから、医師をどれだけ信用してよいのか不安になって、自分でできる限り本・パンフ・ネット・交流などで幅広く調べてしまう。

思い残すことはないといっても、病気治療だけで人生を終えたくないのが本音だ。