~現実はそんなに甘くは無いのです~
一人の少女。
個室で飼われる小鳥のよう。
一歩も部屋から出られません。
独りの少年。
個室に住まう仔犬のよう。
一歩も部屋から出はしません。
二人の部屋には厚い壁。
だから二人は互いに存在を知り得ません。
それは偶然。ぃゃ、必然?
少年は少女の存在に気が付きます。
少女が声高らかに歌ったから。
少年は姿を見ずとも恋をしたのです。
その美しい響きに。
毎日、毎日少女は歌いました。
朝、昼、晩必ず三度。
少年はそれを聞き逃さぬよう、一晩中静かにするようになりました。
少年の唯一の楽しみは彼女の歌になったのです。
そんなことを知らない少女。
歌以外にすることがありません。
かといって、歌い続けることは叶いません。
少女には破ってはいけないルールがあるのでした。
破るとどうなるかはわかりません。
でも、真面目な少女はそのルールを守ります。
一日、必ず三回歌わなければならないルール。
それ以上でもそれ以下でもいけない。
少女には苦ではありませんでした。
ある日、二人の部屋に地震が訪れます。
少女は怖くなりベットで震えていました。
少年は面白く思い揺れを楽しみました。
部屋が崩れることはありません。
ただ、厚い厚い壁にキレツが走ります。
少女はそれを気にすることなく歌います。
少年は歌を聞きつつも興味はそのキレツ。
ガリガリと壁を削り始めました。
少女にあえるのでは。あの歌をもっと近くで聞きたい。
その日から少年の楽しみは二つになりました。
来る日も来る日も、少年はガリガリガリガリ。
少女の歌を聞きながら。
途方も無い日が経ち、ついに壁が崩れました。
やっと、少女に会える。
しかし、現実はそんなに甘くは無いのです。
崩れる中に少年は巻き込まれ、目が見えなくなってしまいました。
また、少女と少年の部屋がつながることはなく、
透明な壁に仕切られていたのです。
そこで初めて、少女は少年に気付きます。
内気な少女は少年の容姿に惹かれました。
「あの・・・。」
少女は少年に声をかけます。
少年にとって一番望んでいた声。
目が見えなくなってしまった事など、どうでも良くなってしまいました。
「君の歌を聞かせてくれない?」
「え、あの、・・・。」
少女は戸惑いながらも歌いました。
今日一回目の歌。
少女が歌い終わると少年は言いました。
「もう一回、聞かせてよ。」
少女は困りました。
でも、まだあと二回。
そう思い、少女は好きな人のために声を響かせます。
「もう一回、これで最後だから。」
少年は言いました。
少女はどうしたら良いかわかりません。
「お願いだよ。あと一回。僕は君の歌が好きなんだ。」
そして、少女はその日最後の歌を歌いました。
次の日も、その次の日も
少年は少女に歌をせがみました。
なぜか、いつもキッカリ三回。
少年は少女のルールを知らないはずなのに。
いよいよ、少女はルールが苦痛になりました。
どうなるかはわからない。それが怖い。
でも、彼はわかってくれている。
少女は少年に支えられているのでした。
そのひ、少女は窓に集まる小鳥たちに釣られて
一回、歌ってしまいました。
「今日も聞きに来たよ。」
目の見えない少年には
少女の戸惑う姿は写りません。
とりあえず、一回。
少女は迷いを振り切るように歌いました。
大好きな彼に嫌われないために。
大丈夫。
ルールなんて、取るに足らないもの。
彼もまた、私の歌に支えられているの。
少女にはそう思うことが必要なのでした。
だから。
少女はルールを破ったのです。
ルールを破った罰は非常に簡単で、残虐で、
馬鹿馬鹿しく、恐ろしいものでした。
『破ったときに、一番愛していたものを失う。』
気が付くと、辺りは鼻を劈く匂いで満たされていました。
「・・・い、や。いやぁぁああああああ!!!」
二人が次の日の朝を迎えることはありませんでした。
---------------------------------------------
こんばんは、nanoです。
この時間帯ならこんにちはの方がよろしいのかな?
そんなアバウトな時刻ですが。
結論。
どうも、僕は鬱らしいですね。
病院での診察はさすがに受けていないので確定はできませんが。
題材は特にありません。
強いて言うなら・・・、思いつきませんね。
まぁ、現実はそんなには甘ちゃんじゃないんですよー。
って言うのの、延長線上のお話だと思います。
さて、次回予告。
・・・特に決まっておりません。
何故なら。
テストが地味に良くできていてゲームなんかピコピコやれる時間が増えてしまったからです。
ということで、また何時か。
by nano