今年新しく作られたステージ、『サウンドオブフォレスト』
そこのこけらおとしが風味堂だった。
今回マボロシの為に参加を決めたRIJFで、
なんで初日まで4時起き日帰り強行軍で参加を決めたかというと、
そりゃもちろん初日に見たいバンドが山ほどいたからなのだが
引き金を引いた決定打は風味堂だった。
(実際は真心もなのだが結局観なかった為・汗)
もう大正解。
あの瞬間、あのステージを見ることができたおかげで
私の夏フェスは最高の幕開けを迎えそして、最高の気持ちのまま終わった。
ステージへ続く細い道を小走りで進んでいると、聞こえてきたのが
『もどかしさが奏でるブルース』だった。
跳ねるベースとドラム、そしてピアノ。
手を上に挙げて飛び跳ねながら逸る気持ちを抑えきれない。
小道を抜けて視界が開けた先に、そのステージがあって、彼等がいた。
グラスステージの何分の一だろう。その小さなステージには
笑顔の3人がいて、それを大喜びで見てる一部の客がいて、
様子を伺うように少し離れて見てる大勢の客がいた。
きっと、風味堂を観た事がない人ばかりだったんだろう。
だからこそ、彼等の引力を思い知った。
ライブが進むごとに、人が増えていく。
ライブが進むごとに、人が笑顔になっていく。
ライブが進むごとに、前列だけだった手拍子が後ろに伝わっていく。
3曲目の『ナキムシのうた』からは猛スピードで観客を掴んでいった。
キャッチーなサビを、皆で合唱する。
1番の時はファンの子達しか歌えなかったけれど、
2番になったら声が大きくなった。
最後の大サビはフォレストを包む大合唱になった。
鳥肌が立った。今、ここにいる人たち皆が彼等のライブを楽しいと
思っているんだと思った。
風味堂を観たのが初めてだという人が大多数だったはずの
サウンドオブフォレストで、あの瞬間彼等は間違いなく人気バンドだった。
遅れてきた人は皆『風味堂って人気だな』と思ったに違いない。
前列にしかいなかったファンの子達の『好きの波』が
風味堂の出したサウンドに乗ってサウンドオブフォレスト全体を包んだ。
最後の『ゆらゆら』でゆっくりと身体を揺らしてクールダウン。
たった6曲の短いステージの間に山ほどの笑顔を咲かせて
風味堂はステージを去って行った。
あちこちから『よかったね』という声が聞こえた。
彼等はこけらおとしには最高のバンドだった。
野外に映える跳ねた音は、沢山の人を惹きつける引力満ちてた。
初めて見たチッタのフリーライブから4ヶ月。
あのころから彼等はライブバンドだとここでも書いていたけれど
あのときよりもずっとずっと魅力的なライブをやるようになっていた。
来年は人気がでてレイクステージになるかな、なんて考えた。
だけど彼等のライブの根元にあるものはきっとどこのステージでも
ゆるぎないものであり、観客を笑顔にしてから帰るんだろう。