「舟を編む」と「虎に翼」 | なのはな22のふたり言

なのはな22のふたり言

本・テレビ・映画の感想が多くなると思います。たまにフィギユアスケート。
ミステリーや時代劇、ビジネスドラマが好きです。

1月から3月の冬ドラマは最初は「意外に豊作かも」と期待したが、結局「なんだかなー」で終わってしまった。

 

タイトルに騙された感があるもの、途中から話の方向性がずれたもの、3話ぐらいで済む物語を無理に3か月にした感のもの等々。

その中ではNHKの「正直不動産2」が大体同じテンションで全話見られた気がする。

 

 

そして2月の半ばから始まったNHK・BSの「舟を編む ~私、辞書つくります~」が、うちは二人とも気に入っている。

これは開始時期が冬ドラマというより梅春ドラマと呼びたい時期だったので、今月(4月)に最終回が来そう。

個人的には、2013年の映画版よりも好きだ。

馬締を演じている野田洋次郎さんの演技が役にしっくりしているし、群像劇としても楽しめる。

なんといっても、お仕事ドラマになっているのが嬉しい。

 

 

昔、韓国時代劇の「宮廷女官チャングムの誓い」が面白かったのは、恋愛ドラマではなくお仕事ドラマだったからだ。

始めは料理人として、次は医女として、彼女がさまざまな課題や試練を賢さと忍耐で乗り越えていく姿が魅力的だった。(その後4本ぐらいかな、韓国時代劇を見たが、チャングムがやはり1番出来が良いと思う)

 

 

「舟を編む」では、社長(堤真一)が紙媒体の辞書作りに否定的なのに対して、どうやって紙の辞書を守ろうかと頭を絞る馬締やみどり(池田エライザ)らのアイデアが見どころになる。

営業利益を第一に考えなくてはならない社長が「今はデジタルの時代」と言うのは当然。

 

紙媒体はもう売れないという声は、個人的感覚では平成の中頃から聞こえていた(20年ぐらい前から)。

その時、とても寂しい気持ちになった。

(実際にはもう本が読める目ではなかったのだが)

 

子どもの頃、家にあった百科事典や国語辞典を、特に調べる目的もなく読むのが好きだったから。

ひとつの言葉を読むとその前後の言葉も目に入ってくるから、どんどん雑学知識が増えた。それが楽しかった。

 

今は拡大して読めるタブレットを愛用しているけれど、ドラマに出てくるような紙媒体を愛する人達がとても愛おしい。

 

 

少しTVから外れた話題。

ネットで大谷翔平選手を擁護する人のコメントで「彼は世間ズレしているからお金の管理に気が回らなかったんだろう」というのがあり、「えっ?」とびっくり。

「世間ずれ」は「世間擦れ」で、世の中でいろいろな体験をして悪賢くなっているという、どっちかと言えば悪い意味で使う言葉。

「世間知らず」とか「浮世離れしている」と言いたいのなら

「世間からずれている」と言うのがいい。

 

 

昨日(1日)から始まったNHKの朝ドラ「虎に翼」(原作・脚本 吉田恵里香)

 

日本初の女性弁護士をモデルにしたお話と聞いただけで「見よう」と夫と一致。

ヒロインが「五黄の寅」の生まれで寅子(ともこ)と言う名前も頼もしい。

タイトルは「韓非子」からの引用だとか。

 

韓非(かんぴ)は中国、戦国時代の韓の公子。法家の大成者。しばしば書を以て韓王を諫めたが用いられず、発憤して「韓非子」を著した。(広辞苑参照)

 

「虎に翼」と言うといかにも勇壮だが、調べてみると、あれ?

「虎の為に翼をつくることなかれ、まさに飛びて邑(むら)に入り、人を択(と)りてこれを食わんとす」

 

なんだかプーチン氏やトランプ氏に権力を与えては危険だという現代への警告のようである。

 

ヒロインが寅子と言うので、このタイトルはやや微妙な気もするが、まあ、それは横に置いといて。

お仕事ドラマになりそうなのが期待大だ。

 

寅子の家はどうやらお金持ち?見合い相手が帝大卒のエリートばかり。それに、父親が妻を「はるさん」と呼んだので「ずいぶんリベラルなお父さんなんだな」という印象を持った。

戦前でも都会に住んでいる男性なら不思議じゃない。

 

この朝ドラは最後まで行けるかな。行ってほしい。

 

 

TVをあまり見なくなったとはいえ、NHKでは見たいものがちょくちょく出てくる。

3月30日には未解決事件の「下山事件」を第1部ドラマ、第2部ドキュメンタリーで見た。

昔、下山定則国鉄総裁役を小林桂樹さんが演じたドラマも、NHKでやっていた。

 

なんのかんの言われても、こうしたものはNHKでしか作らない。NHK不要論の人はたぶんこうしたものは見ないのだろう。

 

 

 

 

今日もお付き合いいただき、ありがとうございました。