毎月1回は訪問看護の合間にこの『なの花日記』を書こうと決めていましたのに、自宅療養をしています88歳の実父の体調が不安定になり、私自身が仕事と介護の両立で精一杯になっていました。
会社から介護のための時間的配慮を頂き、日々、父を観察し体調管理の工夫を試み数か月。歩行力は低下しましたが、幸い、嚥下力が安定し、11月からは咳もぐっと減りました。
訪問診療を受けているので、定期的に医師の診察を受けていますが、高齢による体力低下は薬で良くなるわけでなく、家族として「もうできることはないのか」悩みました。
体のだるさがあると本人も身体を動かしたがらず、褥瘡(床ずれ)がお尻に出来てしまったり、痰もなかなか出ず咳こみ・・・良くなる兆しがない日々は辛いものでした。改めて、治る病気ではないご家族を介護する家族の辛さを感じました。
老衰が進んだ父の体調が安定したきっかけは、ビタミンなど栄養補給だったと思います。嚥下障害が出て、普通の食事が出来なくなり、水分はゼリー状に固めて飲みましたが、意識低下が徐々に始まっていました。
脳のビタミンB1不足を考え、あれこれ試した結果、今は、世田谷食品の野菜ジュース1日2本をゼラチンで固めて食べ、週に数回、『1日分のビタミンゼリー』もデザート代わりに食べています。
蛋白質はパルテノというヨーグルトで1個10gのたんぱく質が入っている商品を見つけました。朝夕1日計2個、このヨーグルトにハト麦酵素と医師に処方された下剤を混ぜています。
味の良いだし汁で野菜と肉か魚を煮たものをブレンダーで細かくし、それを葛で固めたものが今の父のメイン食です。だしを効かせると美味しいのでパクパク食べてくれます。
また、噛む力が弱くなった人のために大塚製薬が出している『あいーと』という製品も良かったです。
写真のように、見た目は普通のおかず1品ですが、酵素の働きで口に入れると柔らかくなり、むせずに食べることが出来ます。味もしっかりしています。
筑前煮や豚肉の生姜焼きなど好みのメニューが多く、冷凍食品なので私たちも手軽で助かります。電子レンジでも良いようですが、私は20分蒸して解凍します。
父が安定して家族に笑顔が戻りました。高齢ですので人としての自然な経過は受け止めなければならないとわかっていますが、出来る限りのことはしたいと思います。
父の笑顔も見れる今の時間を大切にしています。
(訪問看護師;中山康子)
写真;『あいーと』の筑前煮です