神保町の駅から三省堂方面に歩いていくと、新しい高層ビルが次々と現れる。

 

約束の時間より早く到着したので、傘をさしてプラプラと歩く。

 

歩道と車道(二車線)と合わせて16mの広さの道路際から、さわやかな渓流の音が響いている。

 

近づいてみると、建物に付属した庭園であった。

 

初夏に咲く様々な草花と木々。大きな岩を配置した傾斜が付いた水の流れ。

クロアゲハが舞っている。

 

 

水音が高く響くのもこの傾斜をつけた流れによるものか。

 

自動的に散水できるように、木の根の近くには散水用の管が伸びている。

 

樹木版が整備されていて、気の名前がわかるような工夫もされている。

 

都市緑化の一環として、緑が配置されるようになっているのだろう。

同じような庭園が丸の内などにもある。

 

 

一方、近所に住民が管理しているちょっとした広場がある。町会の催しがされ、地域の人たちが手入れをしている、開園時間は9時から17時。

 

広場の中央には芝が植えられていて、その周囲には植栽したものとどこからか飛んできて自由に茂った野の花がいっぱい。ドクダミ、キキョウソウ、シロツメクサ、ヤブガラシ、コウライシバ、サツキ、ビヨウヤナギ、モクレン、カタバミ、ムラサキカタバミ、ノゲシ、セイヨウタンポポなどなど、私がわかるものでもざっと35種。

 

都市開発に伴う都市緑化。

もともとあった住宅や庭園を緑地化したもの。

 

新たに緑化したものは、設計、建設、維持に相当な費用が掛かるはず。コストに見合った整備がされ充実感は高い。

 

町の広場には、さほど予算はつかない代わりに、野の花がふんだんにある。

幼い子供が花摘みをしたりちょっと木陰で休めたり、弁当を食べたり、携帯電話で話をしたり。その代わり夕方が近づくと蚊が飛んできたりするけど。

 

定住人口が少ない都心のビル街では庭園の管理は造園業者に委託するしかないだろう。

 

市街地の空き家など、持ち主の所在不明だったり亡くなられて相続者がない場合など、狭くても公園や広場にしてほしいと思う。大きな立派な公園でなくても、そこに住む人がちょっと気を付けることをすれば緑に触れ合える空間がもっとあるといいなって思う。