食いしん坊の私にとって、ワコウ と言えば、とんかつの和幸だけれど、もう一つの

ワコウ。

 

それは、加藤和彦 の 『和』 と 坂崎幸之助の 『幸』 をとった「和幸」。

 

1960年代から1970年代に思春期から青年期を送った私は、フォークルセダーズをはじめフォークソングやとビートルズなどの洗礼をうけた。レコードがなかった我が家では、夕食の後始末を終えてやっと自分の時間になった時、ラジオから流れてくるビートルズに耳を傾け、教室では担任教師の生ギターやピアノに合わせてフォークを歌った。

 

「あの素晴らしい愛をもう一度」

 10代の私には、もう一度迎えたい愛はなく、将来で会えるかもしれない愛を夢見て歌ったような。

 

 ギターやピアノの伴奏がなくても、みんなで声を合わせるだけで未来が開けていくような高揚感があった。友達の声を聞きながら自分もただ無心に歌う。

 

 今にして思うと、あの時代がとても貴重だったんだと懐かしくなる。