雨上りの4月1日の朝。

 

通勤電車のホームには、若い人が列をなしている。ピカピカの靴に、あたらしいスーツ、緊張した表情で言葉少なにホームで電車を待っている。

 

この春に、あたらしく旅立ちをした若人。様々なハラスメントで働くことに希望を失うことなく、一人一人の夢がかないますようにと、祈るような気分。

 

東京都唯一の路面電車のさくらトラム。車両がとてもかわいく、沿線の風景が車内に飛び込んでくる。緑がまぶしく、線路にはタンポポの一群が咲いている。

 

朝には一分咲きだったさくらが、昼には三分、夕には五分。暖かな陽気で春がどんどん進んでいる。

 

通勤途中の駅ビルに自然薯の手摺りのとろろ飯が食べられ和食屋さんがあり、まっすぐ帰ろうと思いつつ、ついこの駅で途中下車して、この店で昼食を済ませる。

 

木枯し紋次郎が食べたという麦飯。この店の麦飯は一粒一粒がふっくらしたまん丸。私だけでなく若い女性も、私と同じくらいの方も、等しくお代わりをしている。

 

静岡名物のとろろ汁と一緒にシラス飯も。ほのかな味付けが絶妙で、とろろとシラスで三杯飯。お味噌汁もお漬物もおいしい。胃袋と脳が満足できるごはんは嬉しい。

 

自宅でも麦飯を炊いた。もち米を混ぜたコメと大麦を一対一にして、日本酒と塩を少々。和食屋さんほどの味にはならないけど、結構おいしい。今はやりの腸活にも。

 

おいしいものが食べられる暮らしは、元気が出る。