廃棄衣類が「壁紙」に再生、建築家3人が開発 温かみ、吸湿、防音…「空気質」の改善も
2023年2月20日 16時30分
CCB-ウォールを貼った壁面を前に話す(左から)新井かおりさん、中村薫さん、久保田恵子さん=東京都目黒区で
大量廃棄が世界的な問題になっている衣類を紙に再生している一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー(CCF、東京都目黒区)が、繊維ごみと紙をほとんどの材料とする「壁紙」を開発した。ビニールクロスの壁紙と比べて、吸湿性、通気性などに優れ、室内の「空気質」を改善させる効果も期待できるという。(水谷孝司)
「CCB(サーキュラーコットンボード)—ウォール」と名付けた壁紙をつくったのは、CCF建築家チームの新井かおりさん(埼玉県川口市)、久保田恵子さん(神奈川県茅ケ崎市)、中村薫さん(東京都文京区)。
繊維や紙、パルプを溶かしてボード状にするシンプルな工程で、厚さ5ミリと2ミリの3種類がある。自然由来の温かみがあり、手触りが柔らか。吸湿性、通気性だけでなく、防音性、クッション性も備える。安全性の高い接着剤や両面テープを使って、自分で貼れる手軽さも特長で、壁紙自体、リサイクル可能だ。
壁に貼られたCCB-ウォール。凹凸があって手触りが温かく、柔らかい=東京都目黒区で
壁に貼られたCCB-ウォール。凹凸があって手触りが温かく、柔らかい=東京都目黒区で
ビニールクロスは、価格が安くて施工が簡単なこともあって大きなシェアを占めているが、建て替えやリフォームの後は分別されないまま廃棄されることも多い。3人は仕事で住宅の設計などをする中で「建築業界は今のまま大量廃棄を続けていていいのか」「もっと自然なものを目指したい」という問題意識を抱えていたといい、2年ほど前からCCBの開発に取り組んできた。
大量生産される衣類は、1度も袖を通されないまま捨てられてしまうことも多く、繊維ごみのリサイクルは大きな課題。CCFは、衣類に比べて回収率、リサイクル率の高い再生紙に廃棄衣類を使うことで、繊維ごみを減らす取り組みをしており、繊維ごみを使った壁紙というアイデアにつながった。
一般社団法人日本室内空気保健協会などが主催する2021年の「第1回 IAQ(室内空気質)改善コンテスト」の一般部門でグランプリを獲得するなど、評価も高まりつつある。
今後はオーガニックコットンを使うなど、さらに付加価値を高めた壁紙を開発する目標もある。3人は「循環型社会や、持続可能な社会に転換し、毎日の暮らしを見直すきっかけになってほしい。手にとりやすい価格にしたい」と話している。
問い合わせはメールでCCF建築家チーム(kenchiku@circularcottonfactory.jp)へ。
廃棄衣類から壁紙、とても素敵。
清掃工場でゴミを燃やした後に残る焼却灰。東京湾の埋め立て地にこの焼却灰が運ばれていく。
かって私は、ゴミを燃やせば0になるとひどい誤解をしていた。木でも紙でも、燃やした後に灰が毎年20万t前後、いずれは東京湾の埋め立て地が使えなくなる。
都市で住む者は、暮らしの100%が消費者。使い捨ての便利なものに囲まれている。トイレットペーパー、キッチンペーパー、ティシュペーパー、床拭きようの不織布。
なんかも使える布巾や雑巾、タオルやハンカチを持たなくても暮らせる。その便利な暮らしがドンドンごみを増やし、焼却灰を増やす。ゴミ収集車のガソリン代、焼却灰を運ぶトラックのガソリン代、道路の損傷などなど、何気に出しているごみだが、様々な費用が掛かる。
もし、私たちが努力してゴミを削減(Reduse)することで、違う事業に使った方が意味があるのではないかと思う。
ある党が「ばらまき反対」と主張しているが、ばらまき以前に税金を節約できる工夫が暮らしの中にあることを行っていきたいと思う。
でも、これはできる人ができる事をしっかり行うという前提がある。
子育てで忙しく余裕がない人たちは、便利なものを使って負担を減らすことが大事だと思う。病気や障害があって手間をかけることができない人は、便利なものを使って暮らすことを選択してほしい。誰もかれも平等に無理をしなければならないということではない。
最近は街路樹の再利用、廃棄直前の花の再利用(Recycl)、まだまだ十分普及していないが、様々な試みがなされている。
不要になった衣類や紙を壁紙にするって、とても良い。
日本では、牛乳パックや段ボールの再生率は高いが、他の雑紙はまだまだという。
ごみ箱に捨てる前に、表示を確認して、紙マークのあるものは雑紙として資源にできる。
私自身もずっと使い捨ての暮らしをしてきたが、ゴミの問題を知って、あまりにも自分の無知に愕然。それから、暮らし方を少しずつ変えることを試している。
たとえば、トイレの便器も使用ごとにブラシでこすれば、洗剤を使うのは2週一回未満。トイレットペーパーも排泄後の洗浄をした後ならごく少量で済む。
テーブルや床も、よく絞った古くなった手ぬぐいで拭いた後に、乾拭きをすればきれいになる(Reuse)
鼻水もハンカチで拭い、洗面器に水を張り浸漬して洗えば紙を使わなくて済む。
浴室も、使用直後に3分間ほどの時間で、毎回床や壁などをタオルで拭き、もう一度乾拭きして、窓とドアを開けておくとカビが生えなくなった。ここ1年ほど、浴室用洗剤を使っていない。
今年の目標は、一週間の可燃ごみの重量を700g以下にすること。
板橋区でも、プラスチックボトルや歯ブラシを資源とする扱いになり、資源とごみに分別する手間はかかるが可燃ごみとして出す量がどんどん少なくなっている。
2023年2月20日 16時30分
CCB-ウォールを貼った壁面を前に話す(左から)新井かおりさん、中村薫さん、久保田恵子さん=東京都目黒区で
大量廃棄が世界的な問題になっている衣類を紙に再生している一般社団法人サーキュラーコットンファクトリー(CCF、東京都目黒区)が、繊維ごみと紙をほとんどの材料とする「壁紙」を開発した。ビニールクロスの壁紙と比べて、吸湿性、通気性などに優れ、室内の「空気質」を改善させる効果も期待できるという。(水谷孝司)
「CCB(サーキュラーコットンボード)—ウォール」と名付けた壁紙をつくったのは、CCF建築家チームの新井かおりさん(埼玉県川口市)、久保田恵子さん(神奈川県茅ケ崎市)、中村薫さん(東京都文京区)。
繊維や紙、パルプを溶かしてボード状にするシンプルな工程で、厚さ5ミリと2ミリの3種類がある。自然由来の温かみがあり、手触りが柔らか。吸湿性、通気性だけでなく、防音性、クッション性も備える。安全性の高い接着剤や両面テープを使って、自分で貼れる手軽さも特長で、壁紙自体、リサイクル可能だ。
壁に貼られたCCB-ウォール。凹凸があって手触りが温かく、柔らかい=東京都目黒区で
壁に貼られたCCB-ウォール。凹凸があって手触りが温かく、柔らかい=東京都目黒区で
ビニールクロスは、価格が安くて施工が簡単なこともあって大きなシェアを占めているが、建て替えやリフォームの後は分別されないまま廃棄されることも多い。3人は仕事で住宅の設計などをする中で「建築業界は今のまま大量廃棄を続けていていいのか」「もっと自然なものを目指したい」という問題意識を抱えていたといい、2年ほど前からCCBの開発に取り組んできた。
大量生産される衣類は、1度も袖を通されないまま捨てられてしまうことも多く、繊維ごみのリサイクルは大きな課題。CCFは、衣類に比べて回収率、リサイクル率の高い再生紙に廃棄衣類を使うことで、繊維ごみを減らす取り組みをしており、繊維ごみを使った壁紙というアイデアにつながった。
一般社団法人日本室内空気保健協会などが主催する2021年の「第1回 IAQ(室内空気質)改善コンテスト」の一般部門でグランプリを獲得するなど、評価も高まりつつある。
今後はオーガニックコットンを使うなど、さらに付加価値を高めた壁紙を開発する目標もある。3人は「循環型社会や、持続可能な社会に転換し、毎日の暮らしを見直すきっかけになってほしい。手にとりやすい価格にしたい」と話している。
問い合わせはメールでCCF建築家チーム(kenchiku@circularcottonfactory.jp)へ。
廃棄衣類から壁紙、とても素敵。
清掃工場でゴミを燃やした後に残る焼却灰。東京湾の埋め立て地にこの焼却灰が運ばれていく。
かって私は、ゴミを燃やせば0になるとひどい誤解をしていた。木でも紙でも、燃やした後に灰が毎年20万t前後、いずれは東京湾の埋め立て地が使えなくなる。
都市で住む者は、暮らしの100%が消費者。使い捨ての便利なものに囲まれている。トイレットペーパー、キッチンペーパー、ティシュペーパー、床拭きようの不織布。
なんかも使える布巾や雑巾、タオルやハンカチを持たなくても暮らせる。その便利な暮らしがドンドンごみを増やし、焼却灰を増やす。ゴミ収集車のガソリン代、焼却灰を運ぶトラックのガソリン代、道路の損傷などなど、何気に出しているごみだが、様々な費用が掛かる。
もし、私たちが努力してゴミを削減(Reduse)することで、違う事業に使った方が意味があるのではないかと思う。
ある党が「ばらまき反対」と主張しているが、ばらまき以前に税金を節約できる工夫が暮らしの中にあることを行っていきたいと思う。
でも、これはできる人ができる事をしっかり行うという前提がある。
子育てで忙しく余裕がない人たちは、便利なものを使って負担を減らすことが大事だと思う。病気や障害があって手間をかけることができない人は、便利なものを使って暮らすことを選択してほしい。誰もかれも平等に無理をしなければならないということではない。
最近は街路樹の再利用、廃棄直前の花の再利用(Recycl)、まだまだ十分普及していないが、様々な試みがなされている。
不要になった衣類や紙を壁紙にするって、とても良い。
日本では、牛乳パックや段ボールの再生率は高いが、他の雑紙はまだまだという。
ごみ箱に捨てる前に、表示を確認して、紙マークのあるものは雑紙として資源にできる。
私自身もずっと使い捨ての暮らしをしてきたが、ゴミの問題を知って、あまりにも自分の無知に愕然。それから、暮らし方を少しずつ変えることを試している。
たとえば、トイレの便器も使用ごとにブラシでこすれば、洗剤を使うのは2週一回未満。トイレットペーパーも排泄後の洗浄をした後ならごく少量で済む。
テーブルや床も、よく絞った古くなった手ぬぐいで拭いた後に、乾拭きをすればきれいになる(Reuse)
鼻水もハンカチで拭い、洗面器に水を張り浸漬して洗えば紙を使わなくて済む。
浴室も、使用直後に3分間ほどの時間で、毎回床や壁などをタオルで拭き、もう一度乾拭きして、窓とドアを開けておくとカビが生えなくなった。ここ1年ほど、浴室用洗剤を使っていない。
今年の目標は、一週間の可燃ごみの重量を700g以下にすること。
板橋区でも、プラスチックボトルや歯ブラシを資源とする扱いになり、資源とごみに分別する手間はかかるが可燃ごみとして出す量がどんどん少なくなっている。