人材派遣会社を通じて就職すると、採用した事業所がべらぼうな値段を支払う仕組みになっていると知って、頻繁なメールでしつこく紹介をしてくる会社の情報は受け取らないことにしている。
今日面接を受けたのは、今年の2月にWEBで見つけた事業所。バスと電車を利用して1時間以内の通勤時間。
数年前までは、NPO法人として頑張っていた事業所だが、コロナ禍で利用者さんから訪問を断られるようになり、経営が悪化し全国展開する株式会社の傘下に組み込まれたという。
労働条件が低下し、辞めていくベテラン職員もいたようで、現行の事業を継続するために非常勤を募集している様子。2月に連絡した時点では、採用枠はなくなるかもしれないと連絡だったが、新年度になって、本社から賃金の低下の通告があり、さらに退職が増えたらしく、6月から働いてほしいという。かってはスマホとアイパッドで仕事ができたのに、今は携帯しか支給されず、職員には個人のスマホ使用を依頼しているという。
管理者の悩み深い様子に、心が痛む。面接が遅くなり新年度になってからの給与体系では採用できないので、旧体系で本社に交渉すると言い出す管理者。一労働者として雇用条件が異なる職員が同じ職場にいるなどという、不公平なことを受け入れるわけにはいかない。雇用される側が時給を下げてほしいというのは変な話だが、経験給で賃金が異なるのは了解できるが、そういう体系がないのに賃金が違うなんて、そういうことまで言い出さないと職員を採用できないのかと、気になってしまう。
同行訪問をしてくださった職員は、経験20年のベテラン。さりげなく会話をしながら、利用者さんの健康状態や生活状態を掴んでいく。
こんな仕事の仕方も素敵だなぁって、単純に思ったのだが。
今籍を置いている会社も、何となく経営が大変そうな様子で、小さなお子さんがいる職員が多いのでできる限り在宅ワークに切り替えている。いい面も悪い面もあり、意思疎通がはかばかしくない印象。
経営が安定している事業所では、非常勤でも定年後の職員を採用しない。
今の会社での仕事が芳しくないのに、別な会社で働けるか、って落ち着いて考えると、どうも怪しく感じてきた。
経営困難という弱みに付け込んで、採用してもらうようで、心が痛む。
こういうことをあれやこれや考えてうじうじしている私を、主治医は「あなたがそこまで考える必要はないでしょ!」と言うに違いない。帰りは朝と違う通勤経路を確認しながら、つまんないことをあれやこれや考え歩いていたら、あっという間に私鉄の駅に着いてしまった。
20代から定年まで同じ法人で働けたことはラッキーだったが、狭い世界で仕事をし続けて世間知らずになっていたんだなぁと思う。