履歴書や採用時のアンケートに答えるために、プリンターを購入する時点では、不採用になったら何社でも採用試験を受けようと思っていたが、履歴書をワードで作り、必要書類を提出などの就活をするうちに、何とか採用に結びついてほしいという気持ちが強くなってきた。

 

 プリンターの機種を決め家電量販店で購入。所定の用紙をプリントして、履歴書をワードで入力しながら何回も校正して居るうちに働きたい気持ちが高まってきた。水曜日、2週間に一回の定期診察を終えて地下鉄で移動。あらかじめ入館証をスマホで入力しておき入口でQRコードが読み取れれば入場できる。コロナ禍のために感染予防のために手書きをすべて廃止し手指での接触を避けるという安全策をとっていた。

 

 採用条件に一つに、ワードとエクセルが使いこなせるという項目があり、15年以上前だがP検2級、Microsoft word 2003 specialist、expert の検定を受けていたので、ドンドン 点取り虫状態になっていき、この際wordが使えることを実証しておくほうが採用に結びつく可能性が高いと資格欄に記入したうえで、履歴書をワードで入力、カラー印刷で仕上げた。

 

 最近のプリンターは低価格でも印刷のスピードが速く、印刷の出来栄えがよいので、特大手提げ紙バッグに入れて持ち帰ったのは正解だった。

 

 書類を提出した全員に面接について連絡があるというので、ドキドキしながら着信を待っていると、採用担当者から丁寧な電話があり二日目の面接日の予定であると知らされた。採用人員は30名。若くて力がある人の応募が多ければ、65歳を過ぎている私なんかの採用確率はひくく、不採用になっても仕方がないとは思うものの、具体的な活動を始めるとどんどん攻撃モードに変化し、期末試験や入試と同じように急にアドレナリンが全開モード。

 

 二月下旬までは、このままずっとおうち暮らしをしていてもいいなぁ、とのんびり暢気に構えていたのに、美容院に行ったり、早朝散歩をはじめ、ガス屋さんや不動産屋さんなどやり取りをしているうちに、外へのエネルギーが生まれてきた。

 

 うつ状態が改善してきたのが一番で、主治医が「サインバルタタ40㎎で元気になるんだったら、もっと早く(クリニックに)来ればよかったね」とおっしゃったように、元気が出ないとか過眠が続くことを「年をとったから疲れやすい」「仕事がきついからストレスになっている」「休めばそのうちに落ち着く」と思い込んでいたことは誤りであった。

 

 自分がASD+ADHDの可能性が高いといわれた時、わたしのように高齢になってから発達障害の可能性があることが分かった先どう対応すればよいか、まだまだ知見は少なく、中高年になってから自身のありようを振り返り生活調整をされている方がいることを知り、自分の力で自分の癖を見つけ少しずつでも改善できればいいのだと腹をくくった。

 

 小さい時から、自分が普通ではないという自覚はあり、なんか変だなぁと思いつつも、楽しいことや夢中になることがたくさんあり、反対にトラブルや苦労もあったが、まさかそのことが発達障害と関連しているとは。DVによるPTSDのためかもしれないと思っていたが、ひょっとして発達障害のほうが打開策が見つけやすいのかもしれないと思った。

 

 不注意については、確認作業を忘れないように慎重になる、何かする前にメモにまとめ手順が抜けないようにする、忘れ物や早合点しやすいことを自覚し、一つ一つの行動を頭の中で整理し、思い付きはメモして、何が優先順位か考えたうえで行動を開始する。アイディアが無尽蔵にわいてくるときには、まず落ち着きその内容をノートにまとめ優先順位をつけ、一つ一つ実行できるか、落ち着いて考えてみる、メモをするために、台所、トイレ、玄関にメモと筆記具を用意した。

 新しい行動様式を身に着けられるかもしれない。今後この努力をつづけることで、私の新しい行動が習慣化すればいいのだけれど。

 

 主治医の言うように、「今更、治療を受けることは意味がない」に一理はあるかもしれないが、当事者の私は「そうなの?」という気持ちが大きい。日本人女性の健康寿命は約75歳。あと10年も経たないうちに要介護者になり介護を受ける立場になるかもしれないのに、今の自分をほっておいてこのままでよいとは思えない。晩年、認知症になるか身体が不自由になってしまうか、全く予想がつかないが、できれば介護をしてくださる方々と穏やかで気持ちの良い時間を持ちたい。相手をねぎらえるような余裕を持ち落ち着いて暮らせればよいのだけれど。自分勝手に生きてきてしまったので、どこまでできるかちょっと悩ましいけれど。。