30歳代表取締役&Freelanceのエール

30歳代表取締役&Freelanceのエール

会社を卒業、自分独りでどこまでやっていけるか。
2011年春、新しい挑戦を始めます。

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朝から島田紳助の引退騒動に驚いている。


1週間後に新しい総理大臣を決める民主党の代表選よりも
ぐっとくる重みを感じるのは僕だけではないだろう。


彼の年齢が55歳と知って意外にも歳を取っているな、と感じたのは
彼のクレバーなトークや、各プロデュース番組でのリーダーシップ感
から来るものだろうと思う。

各界のトップ、大企業の役員や、国会議員でもこの年齢で
これだけのバイタリティを発揮できる人は少ないのではないか。

もう引退して欲しいと思う人はしがみ付き、本当に残って欲しいと
思う人こそ去っていく、諸行無常のようなものを感じた。


さて昨晩、P・Fドラッカーの『プロフェッショナルの条件』を
8年ぶりくらいになるだろうか、開いていた。

人生に悩んでいた時に大きなエールを貰った、大切な本だ。


これからは、誰もが自らをマネジメントしなければならない。
自らをもっと貢献できる場所に置き、成長していかなければならない。
組織において成果をあげるためには、働く者の価値観が組織の価値観に
なじまなければならない。

という一文は、僕が大企業を去る後押しをした。


最初の仕事はくじ引きである。最初から自らに適した仕事につく
確率は高くない。得るべきところを知り、向いた仕事に移れる
ようになるには数年が必要である。

という一文は、転職したベンチャーで頑張る勇気をくれた。


本著で述べられている、仕事における貢献は3つあった。
「直接の成果」、「価値への取り組み」、「人材の育成」だ。


テレビで見ている以上は、彼のプロフェッショナリズムを感じていたし、
3つの貢献、特に人材育成を心がけているように感じられた。

プロフェッショナルは引き際もまた潔く、カッコいいのかもしれない。


プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))/P・F. ドラッカー

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日本経済新聞の電子版の会員数が100万人突破、という
ニュースを見て、少し考えてみました。

僕もすこし前から電子版のみ(紙は辞めた)に切り替えたが
実際使ってみたユーザーの視点では、極めて便利である。


・朝起きてポストに行かなくてもベッドで新聞が見れる、
 テレビのニュースと合わせてざーっと読んでいる。
(僕は満員電車にあまり乗らないが、電車内で読むには、
 最高なのではと思う)

・僕の端末はGalaxysⅡ(Android)だが、処理速度も早く、
 画質も最高なので、スペック的な不満は一切なし。

・新聞を熟読するのではなく、流し読みする自分にとっては
 これで十分。隅から隅まで読むほど時間の無いビジネスマンが
 読む新聞だし、ニュースチェック目的ではこれで十分。


ということで、会員数100万人(有料15万人、無料85万人)は
利便性から考えて、1年半経過時点では、随分と少ないなと
いう印象を持ちました。


日経新聞の購読者数(朝刊)は300万部。
となると、5%の読者が有料の電子版を購読していることになるが、
僕の思っていた感覚よりも、300万部という母数が少ないらしい。


■新聞各社の発行部数(朝刊ベース、2011年7月現在)

日経新聞   300万部
読売新聞   990万部
朝日新聞   800万部
毎日新聞   360万部
北海道新聞 115万部(※僕の故郷で最大級の地方新聞)



日経新聞のケースで、電子版事業の収益インパクトを考えると、

紙新聞(朝刊のみ)が3,568円、電子版と合わせて購読すると
プラス1,000円で、合計4,568円。電子版のみだと4,000円なので、

①紙新聞に加えて電子版を購読した人      →1,000円の増収
②紙新聞を辞めて電子版一本に切り替えた人 → 432円の増収
③電子版から日経読者になった人         →4,000円の増収

といずれのパターンでも増収になる仕組みになっている。
①が60%、②が35%、③が5%と勝手に推測してみると、

① 1,000円 ×150,000人 ×60% = 9,000万円
②  432円 ×150,000人 ×35% = 2,268万円
③ 4,000円 ×150,000人 × 5% = 3,000万円
-------------------------------------------------------
              14,268万円の増収(月次)


全体の売上に占める割合はまだ数%と推察するが、
薄利業態の新聞発行ビジネスにおいては電子版の普及が
プラスの収益インパクトを齎すのではないかと思料する。

新聞広告の減少はこれ以上誰にも止められないことは確実で、
新聞社が海外市場に出ると言っても限りがあることから、
人口減少社会の中でどうシェアを奪い合うか?が焦点となる。

米国の例を見ても、吸収合併は当たり前、地方新聞の淘汰、
テレビ局との垂直統合など、このマーケットは今後波乱万丈で
あること間違いないが、きっと新聞社上層部が嫌い続けただろう
インターネットという手段で、生き残りを掛ける今の局面を
見守っているのは、僕だけではないだろう。

そして単純に、電子化しただけ!でもこれだけの人が購読するのだから、
そこに新聞社独自のコンテンツを取り入れることを考えるべきだ。

例えば日経電子版には、過去の記事検索がありこれは意外と便利だ。
月25件まで基本料金、超過分は1件当たり175円という課金体系も
価値を考えると納得できると思う。

有料会員100万人という壁は未だ遠い先で、現実味を帯びていないと思うが、
それはコンテンツ次第、戦略次第なのではないだろうか。
ネット側から、そしてユーザーとして今後応援していきたい。






先日の世界水泳、ラスト10mで逆転されて銀メダルに
終わった北島康介選手、僕も偶然テレビでその瞬間を見た。

ラストターンまで世界記録更新のペースで、2位以下を大きく
引き離しており、結果はともあれ魅せるレースだった。

インタビューでは、いつも飛び出る名言が出るかと思ったが、
この日は、素直に負けを認める姿がまたカッコ良かった。
全力を出し切って負けた悔しい表情とコメントに、嫌味のない
アスリート魂を見て、好感を覚えた人も多いのではないか。

翌日、またしても偶然に出会ったのが北島康介の著書である。
先日のブログでも「折れない心」について書いたのだが、
彼の副題もそんなテーマだ。レースに感動したので買ってみた。


北島康介、1982年東京都生まれ5歳から水泳を始める。
日本体育大学卒。

シドニー4位の悔しさから這い上がり、アテネでの金メダルも
去ることながら、北京で2連覇を果たした感動は、記憶に新しい。


そこまで水泳好きではないので知らなかったのだが、
彼は北京五輪の後、引退節もささやかれる中、中学生時代から
長く師事した平井コーチの元を離れて単身渡米している。
自身のマネジメント会社 IMPRINT社も自ら代表取締役として
関わりながら、人生を見つめた時期があることが記載されている。


・人生には重大な決断をしなければならない時がある。
 そんな時に一番やってはならないのは、周りに意見に流されて
 しまうことだ。

・もちろん信頼できる人たちにアドバイスを求めるのは、悪いこと
 ではない。しかし何よりも大切にしなければいけないのは、まずは
 しっかりと自分の気持ちを向き合うことだ。

・自分が何をしたいのか、どうなりたいのか。重大な決断であれば
 時間をかけても構わない。そうして導き出された答えに従えば、
 たとえその先にどんな未来が待っていても後悔はないだろう。


と書かれてある。
自分自身と向き合う為に、未知の世界に自分の身を置く事を選んだ。


先日のレースは北京五輪後のそんな彼の冷静なコメントが
印象的だった。まだロンドン五輪の代表にはなっていないようだが
本人は3連覇を狙う意気込みを語ってくれている。


同世代として、本当に凄いと思った。
4回のオリンピックは16年間、まさに人生そのものだ。

本を読んでも伝わってくるが、彼は単純に水泳の才能があるだけでなく、
自分の頭で考え、自分に素直になり、決めたことはどんなに辛くても
やり抜く力を持っている。

それが一流のアスリートなのかもしれない。

北島流、折れない心を作る7つの約束、を紹介しておきます。


1.とことん素の自分と向き合う

2.進化のための変化を恐れない

3.やるべきいことに優先順位をつける

4.体の声、心の声に耳を傾ける

5.プレッシャーを力に変える

6.頑張りすぎない勇気を持つ

7.それでも一人では戦えない



僕も負けないように頑張ります。


前に進むチカラ/北島 康介

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誰にだって嫌なことや、挫けそうになることはあるはずだ。
根っからの楽観主義者で、心の底からポジティブで明るい、
という人種もたまに居り、心底羨ましくなるが、僕は実はそうではない。

暗いという訳じゃないのだけれど、やっぱり悩みはいつも付いてくる。
自分のことは自分で処理できるけれども、沢山の部下を抱えて、
ひとりひとりの顔を見れなくなってからは、やはり又聞きに悩みを
聞いたりして、自分の力無さを痛感したりもした。

いま僕は独立して何不自由なく生活が出来ているし、
毎日のように色々な方々からお誘いを頂き、美味しく食事を
頂くこともできている訳だが、悩みが無いかと言えばそうでもない。


自分が一番大切にしている、仕事をするパートナーについてだ。

今会社は構想・準備の段階なので、人手が必要という時期では
ないものの、戦略を構想し、夢を語れる人は多い方がいい。
自分には絶対この人と決めたパートナーが居るのだが、最近は
色々忙しい中で十分に話す時間も取れていないのだ。
思った通りに進められない僕の不甲斐無さに落ち込んだりもする。


ふと手に取ったこの本、自分が営業部長のときは鬼に徹し、
数字に対するコミットメントを説いていた。
そんな時代を懐かしく思いつつ、買ってみたのでシェアしたい。


・心が折れやすい人は、ひとつのマイナスの出来事を
 大きくとらえすぎてしまう傾向があります。

・自己肯定(このままの自分で大丈夫、自分が好きだ)の強い人
 は心が折れにくいようです。

・心が折れやすい人には、完璧主義者が多いようです。
 身近な人にも同じように完璧を求めるようになり、他人の欠点を
 見つけて攻撃的になってしまうこともあります。

・世の中には考えてもどうしようもないことが結構ある。
 答がないことが答え、ということもよくなる中では、
 冷静な気持ちで淡々と、目の前の事実を受け入れ、
 こういうこともあると納得できることが大事である。

・目の前のことに集中する、今するべきことに集中して取り組めば
 マイナスの感情がどんどん湧くのを防ぐことができる。
 例えばスポーツなどがそうだ。


と色々なテクニックが書かれてあるようです。

誰もチャレンジしていないコトに、できない理由は沢山ある。
僕も新規事業などのコンサルティングをしていて、重箱の隅を
突くような、突っ込みを入れるのだけは上手になったような気がするが、
「できる理由を見つける」という肝心なことを強く意識しよう。

そして悩みをいつまでもくよくよ考えていても、上記にも
書かれてあるように、「答えがないこと」も良くある中では、
思い切ってその悩みを捨ててみること、も大事なのかもしれない。

思い切って捨てられると、新しいものが入ってくることもある、と
多くの成功者は語っている通りなのかもしれない。

それを信じて、今日からまた前に突き進みたいと思う。



「折れない心」をつくるたった1つの習慣 (プレイブックス)/植西 聰

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eコマースは未だ10年足らずの新しい市場であって、
Amazonと、楽天市場、ヤフーショッピング&オークションを
足し合せてもせいぜい売上は2~3兆円であり、リアル小売市場の
それとは、比較にならないほど小さい。

未だにクレジットカードを登録するのが嫌だったり、送料がネック
になる消費者も多いが、これは時間の問題で、解消される障壁で
あろうと僕は思っている。


最近にわかに話題となっている事について書いてみたい。

(参考記事)
オンライン・ツー・オフライン(O2O)コマースに1兆ドルの可能性がある理由


オンライン・ツー・オフライン、略してO2Oと言ったりするが、
今や消費者の買い物に、インターネットが影響している度合いは、
計り知れないくらい大きい、加えて実名制ソーシャルメディアが
浸透し始めている中で、今後はFacebookの影響も大きくなる。

私自身も、友人がチェックインしていたお店や、いいね!された
Webサービスや、プロダクトをチェックしたりしている。
意識していないことまで含めると、既に大きなインパクトだと思う。

さて、オンライン・ツー・オフライン(O2O)という定義領域で、
どのような事業が生まれているのだろうか、考えてみたい。
(昔からこの業界で言われていることも敢えて書いてみます)


一例を挙げると、


・マルイの通販サイトで、ネットで注文をしておいて、
 リアル店舗で試着して購入するかどうか決めれる(キャンセル可)

・渋谷で今から飲みに行こうという際に、今(リアルタイム)で
 発行されているクーポン、タイムセールのお店に行く。

・ネットでホームページ制作について教えてくれる人を探して、
 喫茶店で出会って、マンツーマンレッスンを受ける。


でも、これは見たい映画を上映している映画館を探す事だったり、
男性に人気のオシャレ美容室をネットで探して予約する事だったり、
東京中のうまいラーメン屋を探して行ってみることと変わらないのではないか。
ネットで探してから、比較すること、出会うことは、今や当たり前である。

肝心なのはそのオンラインサービスの質である。
やはり使いたいと思わせるくらい優れた口コミであったり、クーポンであったり、
セラピストやネイリストのランキングサイトであったりすれば、
絶対にオフラインに流れると思うのである。結局良いサービスは使われる。



一方、オフラインからオンラインへトラフィックが流れる場合もあると思う。
これも同じO2Oだが(笑)、巷で言われているO2Oはこちらではない。

でも僕は、実はこちらの方が既存の消費購買動向にインパクトを与える
可能性があるのではないかと密かに思っている。


・紀伊国屋書店でバーコードないしは本カバーを携帯で取りこむと、
 amazonのレビューが見れる(本屋に限らず、である)

・ビックカメラで、商品型番を価格.comなどの比較サイトで比較し、
 購入の意思決定を行う。

・近距離無線通信(NFCと呼ばれる)が搭載されたsmartphoneで
 手に取ってみた新商品や飲食店にいいね!したり、twitterで投稿する


オフラインで見たものや手に取ったものを、ネットで吟味して見ること。
レビューを見たり、友人と相談してみたり、価格比較をしてみたり・・。



その流れにはネットビジネスをもっと大きくするチャンスが潜んでいる。
両サイドのO2Oについて、もう少し深堀りが必要に思う。














『 シェア -共有からビジネスを生み出す新戦略- 』


この本が登場して、新しい経済概念「シェアリング」に魅了され、
自らの手でその日本版成功モデルを生み出したいと考えた起業家は
多いのではないだろうか。そして3・11以降もその兆しは強まり、
NHKやワールドビジネスサテライトの特集も見かけるようになる。

だが、米国の成功モデルがそのまま日本で上手くいくとは思えない。
僕もいくつかのクライアントからこの領域のリサーチを頼まれたり、
話に出てくることも多いので、率先して勉強してはいるが、
今いち成功するイメージが掴めないでいる。


airbnb.com

間もなく一カ月の宿泊数が100万泊を越えると言われている。
ワシントンD.C.やパリのような大都市でも、一泊$20足らずで
宿泊できるというのだから、バックパッカーの若者が利用するのも理解できる。
そして、登録者は月平均$1,600を稼いでいる。即ち月次売上の予想は、
100万泊×$20×10%(貸し側・借り側からの手数料)=$200万/月

実経済の旅行サイト(エクスペディアや、日本の楽天トラベルなど)
には到底及ばない規模感ではあるが、一定の存在感が既にある。


zipcar.com

先日IPOを成功させ、既に時価総額$10億のカーシェアリング会社。
2010年の純損失は1410万ドルと、前年の467万ドルから拡大。
赤字PLで上場できるアメリカはやはり日本とは違うと思うが、
会員は56万人、HertsやAvisといった既存の大手レンタカー会社と
比べて利用料はかなり安い点が、日本のカーシェアリングと違うのであろう。
(僕が東京都渋谷区、目黒区当たりで検討した結果、レンタカーと
ほとんど変わらないのであまり利用価値がないと判断した)

ちなみに1万台に近い水準で自動車を自社保有しているらしく、
C2C形式で個人が車を貸し出すモデルとはちょっと違う様子だ。
(日本のcafore.jpなどの方がよっぽど素敵なシェアリング事業だ)



上記の2事業は、全米だけでなくかなり広範囲に渡り事業展開をしており、
到底日本だけで考えても経済合理性でフィットしないように感じる。
このスケールメリットで勝負できるから成り立つ事業モデルではないか
と思うであって、そのままマネするのは危険ではなかろうか。

さて、車、部屋、といった貸すにもってこいの商材以外でも、
シェアリングエコノミーで革命が期待されるジャンルは幾つかある。

その際、借りる側よりも、「貸す側の論理」が重要であると思う。
何故、車を、家を、土地を、パソコンを、洋服を貸すのだろうか。
あるいは、あげるという形式でも良い。それは何故か?


1.カーシェアリングのように貸す側に金銭的メリットがある
2.Swapすることで価値が出るケース(纏めることで価値を出す方法も含む)
3.知り合いに対する友情や、日頃の感謝の気持ちなど
4.リユース、リサイクルに対するECO意識が異常に強い人
5.生活困窮者、被災地難民、発展途上国などへのボランティア精神


本書にも書かれてある、クリティカルマスの存在、余剰キャパシティの活用、
共有資源の尊重、他者との信頼という4つのキーワードも去ることながら、
顕在されているニーズではなく、ウォンツの発掘が出来なければ、上手く
いかない事業だから、改めて難しいと思うが、トライする価値がある。

この分野で真に日本経済にインパクトをもたらすことができるベンチャーが
出てきて欲しいと願っている(業界内で有名、というだけではなく)。



シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略/レイチェル・ボッツマン

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メッシュ すべてのビジネスは〈シェア〉になる/リサ・ ガンスキー

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この所、激動の高度経済成長を生きた方々(=今の高齢者)について
考えることが多く、ブログでも度々取り上げてきた。


貧乏でも、希望だけはあった時代。

スタジオジブリの新作映画「コクリコ坂から」を見に行ってきた。
1963年(昭和38年)、東京オリンピックの前年の横浜桜木町を舞台に
高校生が繰り広げる青春群像は、個人的にはジブリ作品のベスト3に入る
名作だと思ったし、考えることも多々あったので纏めてみたい。

その前に、1963年の高校3年生(即ち1945年終戦生まれ)の有名人は、
ヒロインのモデルでもあるらしいが、まず吉永小百合が挙がる。
自民党の谷垣総裁もこの年の生まれのようだ。

今の60歳代後半、高齢者としてカウントされる世代である。
映画館でも多くのご年配が感動していらっしゃった。

ちなみに、復興をテーマに東京オリンピックに再チャレンジする
石原都知事は、この時代を31歳で生きている(今の僕と同い年だ)。



さて、この映画で思ったこと
「この時代の高校生はここが凄い」を纏めてみる。


①学びに対する貪欲さ

 -哲学や数学、天文学と言った学問を、自主的に学ぶ姿が印象的。
  今のような暗記詰め込み学習ではない。学べることの有難さ、
  学生の性分は、今のそれとは対照的に感じた。

②生活力、忍耐力

 -電子レンジが無い時代、高校生が一家を切り盛りし、家事を
  こなしながら学校に通う姿を自然に描いている。今では考え
  られない高校生の生きる力の強さに感銘を受けた。

③ストレートな表現力

 -世論に対して、学校に対して、仲間に対して、恋心に対してもそう。
  ハッキリ言わない日本人、という習性はこの時代から続くもの
  なのか疑問に思う。今の若者、僕たちも含めてはこうだろうか。


映画を見ないと分からないが、旗を上げ続けるヒロインの忍耐力も、
この時代の若者の強さを表現していると思う。



そして、副題にもなっている、坂本九の「上を向いて歩こう」がテレビから
聞こえ漏れる映画の演出も去ることながら、この歌は1961年に日本でヒットし、
1963年(この映画の年)には、SUKIYAKIという名でアメリカヒットチャート
で3週連続1位を獲得していることも付け加えておく。


脚本 コクリコ坂から/宮崎 駿

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この本と出会って、自分はまた飛ぶ気持ちになれた。

一回目は大企業を飛び出した。そして二回目は今春の起業だ。


朝青龍の横綱昇進に反論した際に、テレビで見かけた内館牧子氏。
実は、脚本家であり、数多くのテレビドラマも手掛けてこられた。
最近、東北大学で修士を取り、今は震災の復興構想会議委員も勤めてる。


これは「何とか人生を変えたい」、「このままでは生まれてきた
甲斐がない」、「今の仕事を辞め、新しい世界に飛ぼうか、飛ぶまいか」と
悩んでいる男女に贈るリポートである。

という書き出しから始まるこの本は、目次からも分かるように、
飛んだ人、飛ばなかった人、について入念に取材をされている。

第一章 飛ぶべきか、飛ばざるべきか
第二章 飛んだ人
第三章 飛ばなかった人
第四章 飛ばなきゃよかった
第五章 飛べば良かった
第六章 死 そしてタイムリミット


彼女自体、三菱重工業に13年も勤める、ごく普通のOLだったとの事で
長きに渡り悩んだ結果、飛んだ一人なのだ。

僕自身、何故飛んだか?飛べたのか?という質問を良くされる。
学生や、後輩など自分より年下の人に限らず、いい大人からも問われる。

皆、誰しも夢を持っている(いた)のであろう。
現実との調整に悩み、飛びだせずにいる。或いは飛ぶつもりだったが、
何かの偶然や、所謂タイミングという最もらしい都合により、飛べない。



Q)あなたがあなたらしく生きていく上で、一番大切なことは何ですか?


 20代   夢:27人、家族:19人
 30代   夢:26人、家族:20人
 40代   夢:43人、家族:24人
 50代 家族:28人、  夢:17人

夢が一番大事と答えた人は、40代が一番多く、50代は家族と答えた。
若い人は、恋愛、趣味、仕事など多くのことに数字が分散したらしい。

筆者の解釈は、40代は夢に賭けるリミットの年代として、
最後のチャンスとして動き、もがき、渾身の力を傾ける姿を浮かべ、
50代は、余生への助走と見る。


21世紀、成熟した日本の新しい姿のひとつとして、
40代、50代、60代だからこそ、夢にチャレンジできる国はどうだろうか。

グローバル資本主義は、年商5000億円の会社を創って、大きなバランスシートで、
海外企業と闘っていく流れであるが、年商5億円の会社が1000社あると、
少なくとも1000人の社長と、周辺の役員に、大きな充実感が舞い降りる。

5000億円の会社には飛べずに悩む人たちが如何に多いことか。


高齢者(と呼んではいけないほど元気な中高年)がチャレンジできる社会、
それもまたビジネスチャンスになる日が、もうすぐそこまで来ている。



夢を叶える夢を見た (幻冬舎文庫)/内館 牧子

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新入社員時代を過ごした社員寮の隣の部屋に、1つ上の先輩が居た。
偶然にもその先輩は、寮だけでなく職場でも、隣の部署だった。
品川、26階のあのビルから、一緒に帰ったこともある。

僕が会社を飛び出し、ベンチャーで働くことになった後に、
先輩も同じようにベンチャーに転身された、勇気を持って飛んだ人。

今日は久し振りに先輩と再会、情報交換をさせて頂いた。
先輩は、日本とベトナムの架け橋となるお仕事をしている。

総合商社が、貿易による口銭ビジネスから、事業投資ビジネスに
収益のポートフォリオが切り替わって久しいが、泥臭い仲介事業を、
そこを卒業した先輩がやっているのには感銘を受ける。
30年前の商社マンはこうであっただろう、と思う。

さて、ベトナムという国、僕もあまり知らなかったのだが、
面白いと思ったので、忘れないうちにメモしてみる。

・人口8,579万人、驚くべきことに平均年齢が27.4歳という若さ。
 (ちなみに日本44.2歳、中国34.1歳)

・平均賃金130ドル、上海の半分以下である。
 (ちなみにジャカルタ$150、マニラ$300、バンコク$220、上海$330)


前回ブログ「デフレの正体」でも、少子高齢化の話に触れたのだが、
ベトナムの人口構成は、高度経済成長期の日本とほぼ同じ形のピラミッド。

社会主義国だが、政治の安定と、市場経済が取り入れられており、
WTO加盟、外資企業参入の規制もそこまで高くないと聞きます。

市場スケールとしては中国、インド、インドネシアの人口に比べると
見劣りするが、人口は日本のそれと変わらないほど大きく、成長可能性が高い。
そして何と言っても市場としての魅力も去ることながら、安い賃金と製造力であろう。

板金・溶接、ガラス、電気電子部品、機械加工など工場系の
労働力として、日本企業も徐々に着目をしているようだ。

僕がいるネット業界で、ベトナムでオフショア開発、という日も来るかも
知れないが、僕は製造拠点というよりも、マーケットに魅力を感じるな。
競合少ないブルーオーシャンで、日本発のビジネスモデルを試してみたい。


エースコックの乾麺が、日本企業で一番売れているとか・・笑








この本を読んで、毎日のように聞く「構造的不況」の原因が、
地域間格差でもなく、中国/インドインパクトでもなく、
「高齢化とともに経済が成熟している」という事実を、知った。

そもそもいつと比べて不況なのか?という疑問は僕にもあった。
生まれて30年、景気が良いという状況を経験したことがない。

バブル景気のとき、僕はまだ一生懸命成長をしている最中で、
当然ながら経済の勘は無かったし、小泉構造改革の後一瞬訪れたと
される平成景気の時は、僕はドベンチャー企業で営業をしていた。

この時の僕は、まだ給与は安かったけれど、仕事と同僚と顧客を通じて、
日々の生活が充実しており、会社が坂の上を駆け昇っていく、
高揚感から幸せな日々であった。景気、不景気はどうでも良かった。


さて、高度経済成長をしっかりと生き抜き、今の日本を作ってくれた
団塊の世代以降にすれば、昔と比べて・・ということはあるが、
この時の日本は、人口が伸び、労働生産人口が増えていた。
決して、少子でも高齢化でもなかった訳であるから当たり前である。

次々に新しい自動車や電化製品、輸入されてくる食品に驚き、
後ろを見ずに走ってこれた時代だ、気づけば世界第二位の経済大国となり、
もはや戦後ではない、という時代になったのである。

私の父や母も、片田舎の一次・二次産業に携わりながら、その時代を生きた。


【高齢社会白書】高齢化率は■最高の23.1%‐世界に例をみない速度


この事実から目を反らしてはいけない、と本書は教えてくれる。

①外需について
 怖いのは中国、インドではない。新しい世界の中心と日本は
 距離的に近いことが強みになるし、中国・インドからの観光客や、
 日本の高品質商品需要を取り込めば、彼らの成長と合わせて
 日本は成長できると、書かれてある。

②内需について
 消費する人口が減少したことで難しい局面を迎えている。
 著者は、高齢富裕層から若年層への所得移転や、遊休資産化
 している女性の活用を挙げてはいる。


経済は「人口の波」で動く、というタイトルにある通り、
この大きな波にはもはや逆らって生きてはいけない。

次の10年の国家ビジョンが示されるのを待っていても始まらない。
自分で考えて自分で動くことが必要だ。

新しい日本人の幸せのカタチは色々あって然るべきというのが
価値観が多様化し、高度化したこの国で指示されると思う。

僕も経営者のはしくれとして、日本人の幸せのカタチを考えて、
そしてそれを事業として、世間に問うていきたいと思う。



デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)/藻谷 浩介

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