貴志 祐介と言えば、ホラー!
のイメージ強いが、今回はミステリー。シカモ長編。
王道マッシグラな密室殺人事件を
動機とか目的なんかはとりあえず後回しで
犯行の不可にのみ重点を置き解き明かしてゆく。
誰が犯人か、というよりは
誰に犯行が可能だったか、というところ。
探偵は、自称防犯アドバイザーと
第一容疑者の無実を信じる弁護士女。
2人は様々な可能性を探り
思いつく手口の全てを検証、実験するのだが
これだ!と思えば、監視カメラが・・・
あれか!と思えば、時間的に・・・
決まりか!と思ったが、新たな証拠でダイナシ。
と、そんな調子でスカされてばかり。
あちこちに怪しいピースは散らばっているものの
バシッと形にならないもどかしさにイライラ。
そして、謎のすべてが明らかになった時
物語は一転する。
大抵はそこからが探偵役の見せ場となり
コナンくん風味で『犯人は、あなたですね!』と
意気揚々と謎解きを始めるのかと思いきや
いきなり視点は犯人へ。
その生い立ちから犯行に至った背景
準備、実行、その後の経緯までを
犯人が自らの視点と思考で語り始めるのだ。
謎解きの前に犯人が明らかになり
若干、拍子抜けしつつも
別の視点、別の時間軸で作りこまれた二部構成は
また新たな物語として楽しませてくれた。
そしてその2つの物語が交じり合う時
事件は終焉を迎える。
終わり方は少々アッサリ過ぎて物足りないか。
とはいえ
探偵のキャラの立ち具合といい
全体的に小気味よくサクサクと読めるところといい
シリーズにも期待できる感じではある。
次も読みたい ★★★☆☆