みずきのマンガ・本・紹介ブログ


幅広い種類のギャンブルが取り上げられるギャンブルコミックである。

迫力のある画風、スピーディーな展開、人間心理の駆け引きが特徴。

そして駆け引きを重要視する漫画には珍しい「暴力」も大きなテーマとなっている。

そのため従来ギャンブル漫画であれば休載を挟んだり、主人公の日常的な部分が描かれたり、

省略される部分ではバトルシーンが挿入され「知力」と「暴力」両方が交互に描かれる。


斑目 貘(まだらめ ばく)
通称、嘘喰い。15歳の時、謎の賭博組織・倶楽部「賭郎」のメンバーを瞬く間に蹂躙した天才ギャンブラー。その存在は裏社会で一種の伝説となっている。銀髪でスーツ姿。
瞬時に高度かつ緻密な策を構築する悪魔的なまでの洞察力と頭脳、何ともいえない魔力の如き魅力を持つ男。ただし運動能力は皆無で、パチンコなどの機械相手のゲームは苦手。好物は「かり梅」カリカリ梅 )で、箱買い するほど執着している。伽羅曰く貘の思惑が順調に進んでいる時かり梅を喰べる。
「嘘喰い」という異名は、「相手のブラフを全て喰い尽す」ということから来ており、彼が敵のトリックを見破った際の台詞「あんた、嘘つきだね」は、この作品の決め台詞となっている。
2001年4月9日に賭郎のお屋形様に挑む屋形越え にて敗れ、以後数年間姿を消していた。
梶 隆臣(かじ たかおみ)
闇金、消費者金融に手を出してしまった青年。ひょんなことから貘と出会い、以後彼と共に行動するようになる。貘と行動するうちに自分も貘のような人間になりたいと思うようになり、ギャンブラーとしての道を歩み始める。貘と共にQ大郎との廃ビル脱出勝負に生き残った後、貘によりQ大郎が持っていた賭郎会員権を譲られ会員となった。雪井出との0円ギャンブル敗北後、貘の策により拉致され、潜伏生活を送る伽羅・カールと出会う。そこで自らがアリバイを取られ、奥多摩で起こった凶悪殺人事件の犯人として冤罪を着せられる可能性が高い瀬戸際の状況に陥っているという事を認識する。その後伽羅・カールと共にアジトを脱出、カラカルとの戦いを経て、百鬼夜行に身を落ちつける。
貘とマルコが迷宮で戦っている間、自分への冤罪の恐れを解消する為に、真犯人である羽山の邸宅にカールと共に乗り込む。そして「ファラリスの雄牛 」を使用した命懸けの勝負に身を委ねる事となる。
当初はごく普通の青年に過ぎなかったが、様々な修羅場を乗り越えていくと共に精神面で成長。鮫丸のようなヤクザや、伽羅や夜行といった強者相手にも臆さない程の度胸を身につけていく。貘には「梶ちゃん」と呼ばれ、彼が機転を利かせる場面は稀に「キモ冴える」などと表現され、実際に彼は運に恵まれている。お人好しな性格で悪意には怒りを見せるが、「雄牛の子宮編」で郁斗に何度も自首を促した。誕生日は11月5日、年齢は23歳。
マルコ/ロデム
通称「廃ビルの悪魔」。Q大郎に“息子”と呼ばれる青年で、彼の切り札。もともとは戦地の原住民であったが、Q大郎に住んでいた集落を襲撃された折りに人体実験 を受ける。Q大郎が行ってきた多くの実験体の中で唯一の成功例。薬物投与などによる肉体改造 を受け常人離れした身体能力を手に入れたが、脳に影響を与える実験であったため知能を失い、精神年齢・知能的には子供のままである。また、度重なる実験のストレス副作用 からか、体に注射 を受けると殺人鬼 の別人格「ロデム」が現れるようになった。廃ビル脱出勝負でQ大郎共々貘に敗北するが、以後貘と行動を共にすることになる。貘からは「マーくん」と呼ばれる。
マルコとしての人格は、心優しく悪行を憎む正義感の持ち主である。その優しさ故に敵の命をも気遣い闘っていたがそれは殺す覚悟の無さの裏返しでもあり、李や伽羅といった覚悟を持った者と相対した時には惨敗を喫する。しかし、伽羅との戦いの中で覚醒しかけるロデムを貘や梶との絆により抑え込め、彼等の剣となるべく殺す覚悟を背負って戦う意思を持つ。伽羅をして「極上の戦士」と言わしめるほどの飛躍的な進歩を遂げるも、その純粋な心根は変わらず、ラビリンス内では箕輪に騙され瀕死の重傷を負う。死闘の末に箕輪を下すも、貘と合流した時には既に心肺停止していたが、蘇生措置が間に合い、ラビリンスを生還している。
伽羅(きゃら)
賭郎の元零號立会人で、かつては貘の専属立会人であり、貘が屋形越えに敗れた後に賭郎を抜け、「生きて抜ける事は不可能」というルールのある賭郎を抜けた事で、現在は賭郎に追われる立場である。
廃坑編で姿を現した際には来日したIdeal側の武器商人・カールのボディーガード をしており、貘の敵としてマルコとレオの2人と対決。左目に火傷のような傷がある。非常に頑強な肉体と超人的な力を持ち、その強さはマルコやレオを一時は圧倒し、カラカルと夜行丈一の二人を相手に互角に渡り合うほど。また、過去に夜行丈一の顔に傷をつけた張本人である。
賭郎会員に復帰した貘の言葉に応じ、元の雇い主であったカールを保護し、潜伏生活を送りながら貘を影からサポートする。
常に凶暴な雰囲気を醸し出し、容姿は恐ろし気だが、若干ツンデレ 的な側面も見受けられる。
カール・ベルモンド
佐田国と取引していた武器商人。名前の通りにカールした口髭が特徴的で、感情の具合によって髭が動く。口癖は「エクセレント」だが、本来の意味以外でもその言葉を用いる。佐田国に視覚再建技術のツテを提供し、佐田国が賭郎勝負で勝った場合、得た金でミサイルを売る約束をしていた。Idealの指示であるミサイル攻撃による株価暴落誘発に失敗、Idealの制裁を恐れ樹海へと逃げ去ったが、その途中で伽羅に保護される。しかし、Idealの制裁を恐れ、いくら酒を飲んでも酔えないほどの錯乱状態に陥っていた。現在は伽羅と共に潜伏生活を送り、迷宮ギャンブルに敗北し、冤罪の瀬戸際で自分と同じく逃亡生活を強いられる梶と同行する事となり、似た境遇にいる彼にはフレンドリーに接する。
生き死の近い世界で生きてきただけに、世界は善も悪も交じり合っていると認識し、恐れているクレイグと対峙しても人を食った対応をする胆力(梶曰く涙ぐましい虚勢)がある。
羽山邸に赴く梶に同行し、見事な扮装で偽の立会人を名乗るが、すんでのところでレオと蘭子に正体を暴露される。その後、梶と共に雄牛勝負に身を委ねる事となる。
情けない姿が多いが、ミサイル操作の際に不意打ちで投げられたにも関わらず着地し、雄牛勝負で優れた時間計測など、常人よりは優れた部分が散見される。雄牛勝負で、彼の協力や布石が梶を勝利に導いた。

倶楽部「賭郎」

お屋形様

切間 創一(きるま そういち)
賭郎の21代目お屋形様。自分が勝ち続ける事を「天命」とまで言い切り、自身の行動に揺らぎ無い自信を持つ。かつて貘の挑んだ屋形超えに勝利したが、賭けられた貘の「全て」の中で命の取り立てだけは保留していた。貘と佐田国のハングマン勝負の後、再び貘の前に姿を現す。
ルービックキューブ が得意。表の顔として内閣情報調査室 に所属しており、廃坑編では月に一度のゲームと称し、腐敗した警察を監視し、何れは政治家・並びに国家すらも動かす新組織の結成を狙い、高級官僚・新聞社などのエリート達と会合を行っていた。
先々代お屋形様
賭郎の19代目お屋形様。2巻、11巻、巻末のおまけ漫画『取立人 夜行妃古壱』に登場。若い頃の能輪美年、夜行妃古壱、夜行丈一にコロンビアの麻薬王の命取立てを命じる。11巻では原宿王になる野望を持ち、喫茶「YAKATANカフェ」を開業するも妃古壱に悉く閉店に追い込まれ、自身は持病の心臓病の発作を起こし倒れる。
切間 陽炎ノ助(きるま かげろうのすけ)
賭郎初代お屋形様。凄腕の であり、賭博での負けを踏み倒す輩を成敗し、「確実な取立て」という賭郎の基礎を築いた人物。織田信長 と賭けをし、本能寺の変 にて彼の首を取り立てた事もあるという。

立会人

磨黒 燥滋(まくろ そうじ)
伽羅が賭郎に入った当時の賭郎零號立会人。伽羅が立会人になるにあたり、与えられる二拾伍號と言う號数に不満を示した伽羅に、號奪戦の相手として指名された。
伽羅(きゃら)
賭郎の元零號立会人。主要人物 を参照。
能輪 美年(のわ みとし)
賭郎の壱號立会人。立会人の中では夜行 妃古壱と同じく最古参の人物。禿頭の小柄な老人で、壱號立会人とは言うものの作中では全ての移動を車椅子で行っており、「號奪戦」を含めた「暴力」の行使及び自衛の全てを部下に行わせている。世界中の様々な情報を蓄積した天才的頭脳を持っており、些細な情報からも相手の価値を値踏みしたり正体を探り出す事ができる優れた分析力と高い知能を持つ。
外伝では夜行 妃古壱と同期であり、彼のことをライバル視している。
なお、彼が車椅子生活になった理由は11巻末のおまけ漫画にて描かれている。
夜行 妃古壱(やこう ひこいち)
賭郎の弐號立会人。貘と梶の廃ビル脱出勝負に立ち会ったことから、ハングマン勝負以降は彼らの専属立会人になる。能輪と同じく賭郎最古参の立会人。謎の多い貘の過去を知る数少ない人物。外見は口髭を生やした物静かな白髪の老紳士で、巻いた眉尻が特徴的。表の世界では執事カフェ百鬼夜行 」のオーナーをしている。コーヒーの味に自信を持っており、貶されると怒りを露にする。しかしその味はまぎれもなく不味いが、號奪戦無敗の彼から断れるはずもなく、飲み続けてノイローゼになった立会人は二桁に上る。
性格は紳士的で相手が誰であっても敬語を使うが、戦闘の時には凶暴な一面を見せる。しかし、珈琲勝負で敗北した際は、腑抜けた情けない姿を見せている。
立会人同士の「號奪戦」では無敗を誇る事などから人主達に「無敵の死神」「完璧(パーフェクト)取立人」と称されている。
単行本にはオマケ漫画として、若き日の夜行が主人公となっている外伝『取立人 夜行妃古壱』が掲載されている他、月刊ヤングジャンプ2009年7月号にはスピンオフ作品として夜行の日常を描いた読切『嘘喰い特別編 夜行さん』が掲載された。
棟耶 将輝(とうや まさてる)
賭郎の参號立会人。通称「判事」。
賭郎の関わった勝負で立会人が下した判断を「判例」と表現し、それを基に他の立会人が自身の裁量で判断しかねる問題について判断を下す。ラビリンス編ではお屋形様とゴルフをプレイしており、貘と雪井出のラビリンス勝負に関して門倉から相談を受ける。単行本のオマケ漫画では夜行とは「将輝さん」「妃古壱さん」と呼び合う仲であるが、妃古壱の事をボケじいさん呼ばわりしている。
目蒲 鬼郎(めかま きろう)
賭郎の拾號立会人。テロリスト ・佐田国の専属立会人を務めた。才に恵まれたが故に無気力・無感動な彼自身とは正反対のテロリスト佐田国に魅かれ、彼の専属立会人となってからは立会人としての職務を超えて佐田国の賭郎勝負・イカサマ の手助けをしていた。ハングマン勝負終了後、夜行に「號奪戦 」を挑むが敗北。佐田国のイカサマに加担していた事と、お屋形様が復活させた「號奪戦」古来のルールのもと、佐田国と共にハングマンで処刑される。
その風貌や、貘に「鬼太郎君」と呼ばれている事から、モデルはゲゲゲの鬼太郎
門倉 雄大(かどくら ゆうだい)
賭郎拾陸號立会人。梶、貘と雪井出のラビリンスに立会人として立ち会う。ボリュームのあるリーゼント と、長ラン を思わせる異様に丈の長いスーツ、時折見せる不謹慎な笑顔が特徴。立会いに関しては中立公正を基本としており、ラビリンス2回戦終了後に雪井出が門倉の方針を批判し勝負無効を主張した際、態度が豹変し、雪井出と警視庁の迷宮ギャンブルを暗に批判し恫喝するなど、自身の立会人としての確固たる矜持を持っている。また、雪井出から命の取り立てを行おうとした際に漠から「(嗜眠性脳炎を発症しており)もう死んでいるも同然」と止められた際にも『そのような判断は嫌いではない』と情けのある台詞を言っている。本編中の描写から、義侠心の強い人物であることが覗える。しかし、プレイヤーの無様な姿を見るために中立の立場に支障が無い範囲でミスを装う意地の悪い姿も伺える。
回想シーンでは元不良であった事が明らかになっており、16歳にして同級生らを纏め上げて街を裏で支配する程の組織を作り、同じ目的を持つ南方と街の覇権を賭けて河川敷で一騎打ちを行っている。一度は南方に敗れるものの、その直後とラビリンス戦の最中に1戦交え、敗北を知ったことによる成長と立会人としての重責からくる強さ故かいずれも一撃で南方を下している。
ラビリンス編終盤にて獏と箕輪の最終勝負に立ち会い、ルール違反を犯した箕輪を重傷を負いながらも粛清。朦朧とする意識の中、獏の勝利を告げる。その後の生死は不明。 
鷺田 糟谷(さぎた そうや)
賭郎元二拾伍號立会人。伽羅の回想に名前だけ登場。伽羅は当初立会い中に死亡した鷺田の號を得る予定であった。
櫛灘 鉄馬(くしなだ てつま)
賭郎九十號立会人で立会人歴4年。梶の母親と貘のポーカー勝負に立ち会った。勝負終了後、より優れた立会人を自らの専属としたい貘から「勝負をして貘が勝ったら面識が無かったことにする(=専属立会人にならない)」という提案を受け了承。直後、背後に隠れていた伽羅の一撃を受け失神、敗北した。
伽羅の不意打ちで倒されはしたが、拳による一撃でポーカー用のテーブルを破壊している事から立会人として必要なある程度の暴力は有しており、貘も「決して無能なわけではない」とフォローしている。

掃除人

夜行 丈一(やこう じょういち)
賭郎のS級掃除人。廃坑編終了前後まではお屋形様付き(切間創一の従者)の任に就いていた。
伽羅によると夜行妃古壱の弟であるらしいが、本人は「あの男(妃古壱)と兄弟になった覚えは無い」「あえて言うなら自分が兄(うえ)」と強く否定している。
風貌は夜行妃古壱に非常に似ているが、髪型と、顔に斜めの傷が入っているなどの相違点がある。紳士的な妃古壱と違い性格は傲慢で高圧的、年長者である能輪、賭郎外務卿の泉江に対しても敬語を使わず、クレイグや佐田国をゴミ呼ばわりするなど、切間以外の人間を見下した発言が多く見られる。
顔の傷は伽羅が立会人として選ばれた際に伽羅と諍いを起こして付けられたものであり、その時の恨みと賭郎を抜けた粛清の為に現在も伽羅を追っている。
6巻巻末の「取立て人 夜行妃古壱」では夜行妃古壱と取り立ての相手が同じという事で出会うが、その際にはお互い面識が無かったかのような発言が出ている。
グリス 李(ぐりす りー)
賭郎のA級掃除人。立会人能輪の兵であり、次期立会人候補No.1の麒麟児であり世界で十指に入る暗殺者だった男。指弾などの中国武術を用いて戦う。マンションカジノで取立てを制止しようとしたマルコ、次いでロデムと戦闘になる。
その後泉江とアイデアルが接触する際に再登場。泉江、龍と共にIdealと交渉の場に臨み、マーティン・ブルース・ホワイトと対決。一蹴した後、泉江を援護するためクレイグに挑むがクレイグの手で首を180度捻転させられ、死亡。
龍(ろん)
賭郎のA級掃除人。立会人能輪の兵である。アイザックの「ブルース・リーにでもなったつもりか?」という言葉に「私はブルース・リーの生まれ変わりだ」と答える。李同様、指弾などの中国武術を用いて戦う。泉江がクレイグらと接触した際に能輪の指示で李と共に同行した。
Idealとの接触でギルバート・アイザックと対決し秒殺、その後クレイグに挑むも李とともにクレイグの手で首を180度捻転させられ、死亡。

外務卿

泉江 夕湖(みずえ ゆうこ)
賭郎の外務卿を務める女性。賭郎内で外部組織との接触に関わり、Idealの交渉人として現れたクレイグと接触しIdeal側の要求を突っぱねる。
俊敏な動きと、ハイヒールに装着した刃物、流星錘 などを用いた攻撃を行う。

構成員・黒服

暁舟(ぎょうしゅう)
賭郎の黒服。梶と鮫丸のポーカー勝負でディーラー 役を務める。

Ideal構成員

ボス
Idealの指導者。ミサイル発射の為にカールを、次いで賭郎乗っ取りの為にクレイグを日本に派遣した。
ビリー・クレイグ
Idealのボスの側近。左耳に虎の縞の様な黒い痣がある事から能輪に「カラカル (黒耳の捕食獣)」と呼ばれる。非常に高い戦闘力と場をコントロールする智謀を兼ね備える。アジア系の人間を猿と見下す。ギャンブルが嫌いらしい。
外務省情報では米国大使館3等書記官としての身分を持ち、CIA にも籍がある。そのため、日本での行動が警察に制限されることはほとんど無い。
Ideal側の交渉人として来日、賭郎外務卿である泉江と接触するが交渉は決裂に終わり、その後も賭郎乗っ取りの為日本で暗躍する。
ギルバート・アイザック
Idealの構成員。元米国陸軍 軍人。快楽殺人者で仲間と反りが合わず除隊した後Idealに拾われる。クレイグ、マーティン・ブルース・ホワイトと共に泉江らと接触。交渉決裂となり龍と対決するが一蹴される。
マーティン・ブルース・ホワイト
Idealの構成員。殺害する対象を自分を自らの親近者や友人などに見立てて殺害し、その哀しみを欲する、通称「グリーフ(悲しい)マーティン」と呼ばれるアメリカの殺人鬼。賭郎との交渉決裂後、李と対決となり、李を友人に見立てて殺害しようとするが、拒絶され一蹴される。しかし一命は取り留めており、その後もクレイグに付き従い、自らの性癖に沿い、接する者全てに親しくなろうとする。
ジャック・リーパス
クレイグに同行した4人の殺し屋の一人。
キルスティン・ハワード
クレイグに同行した4人の殺し屋の一人。

警視庁関係者

天真 征一(あまこ せいいち)
警視長 。密葬課(作中の警視庁における架空の課)を率い、迷宮ギャンブルに関わる警視庁内の人物。重厚そうな印象とは裏腹に非常に醜悪で狡猾な性格の持ち主。キャリア である自身を強者、民衆を平和ボケした弱者と蔑んでおり、部下である箕輪さえも内心では凡夫と見下している。雪井出の父の元同僚で、嗜眠性脳炎発症前の雪井出とも少なからず面識があった。実は雪井出の父親に冤罪を着せた張本人であり、雪井出を迷宮ギャンブルに手を染めるように誘導した。雪井出を道具としか見ておらず、勝負に敗れ嗜眠性脳炎が再発した雪井出をゴミの様に扱う。貘と雪井出の迷宮ギャンブルが終わった直後に現れ、真実を知る貘の殺害と勝ち金11億円の奪還を狙うが、マルコが現れたことと賭郎側が貘の勝ち金を保護したことにより断念、貘の提案を呑みLファイルを賭けて警視庁の地下にある「実物大の迷宮」を用いた賭郎勝負を行う。共感覚 の持ち主で、色聴という特殊な力を駆使する。その能力と箕輪とのモールス信号のやり取りで得た情報を元に迷宮内部を掌握し、一時は圧倒的優位に立ったが、自身の傲慢な性格が仇になり、貘の策に嵌り大敗。命乞いの為に貘の靴を舐めるという最大の屈辱を味わい、キャリアとしての尊厳を完全に打ち砕かれた。しかし、あるトラブルで展開がもつれ、箕輪と遭遇するが、マルコへ復讐心で精神の均衡を失った箕輪に喰い殺される。
南方(なんぽう)
警視正 。天真の部下として実物大のラビリンス勝負で暗躍。賭郎立会人の門倉と因縁を持つ。高校時代に門倉と同様にヤクザ顔負けの組織を作り上げ、街を支配していた。後に門倉と出会い、河川敷で一騎打ちを行う。ラビリンス内の構造を利用し密かに罠を仕掛けるものの、それに勘付いた門倉と再び相まみえる。過去には門倉と互角に近い勝負を繰り広げ、勝利したが、立会人となった門倉とは歴然たる実力の差があり、全く歯が立たなかった。その後、獏との勝負に敗北した天真を見限る。以後は不良だった頃の流儀に従ってか、門倉の下で動く。
箕輪 勢一(みのわ せいいち)
警視庁密葬課の一人。天真の「暴力」として行動を共にしており、警視庁の地下迷宮を用いた賭郎勝負に参加する。ミオスタチン(筋肉の成長抑制因子)遺伝子の突然変異と高密度に圧縮された生来の筋骨により異常な力と頑強な肉体を持ち、かつて賭郎勝負の立ち会いで彼の戦いぶりを見た能輪からは「超人」と評されている。一見中肉中背か、それ以下でありながら体重は100kgを超え、その筋力は、マルコの拳の直撃をものともせず、蹴りの一撃で彼を天井まで打ち上げる程。ラビリンス内にてマルコと遭遇し、騙し討ちに近い形で重傷を負わせる。その後、復活したマルコとの再戦においてその圧倒的な力でマルコを追い詰めるものの、内なるロデムを乗り越えたマルコに敗れ、重傷を負う。その後、マルコの復讐心で重傷の身体を引きずって迷宮を彷徨い、天真と合流するも、敗北のショックで精神の均衡を失っていたため、迷宮で遭遇した者を襲う「ミノタウロス 」と化し、南方の罠を黙っていた怒りで天真を殺害し捕食。最期は悪質なルール違反を犯したとして門倉から粛清を受け頭を潰されて死亡。
雪井出 薫(ゆきいで かおる)
賭郎会員。 を着用している。警視庁の地下で大金を対価に「ラビリンス (迷宮)」というゲームで記憶(=アリバイ)を賭けた勝負を持ちかける。接触する為にはインターネットのゲームサイトから特定のハンドルネームを用いねばならない。本人は「嗜眠性脳炎を患った事で記憶に10年ほどの空白があり、それを埋める為」と称して相手の「体験」を求めて勝負を持ちかける。敗者はその賭けた日のアリバイを奪われ、その日に起きた未解決事件の容疑者に仕立て上げている。
父親は元警察準キャリア で前述の迷宮ギャンブルを行っていたが、「秩序」を守る為に警察上層部の不祥事を自ら被る形で失脚、母親も薫の幼少時に同じ形で闇に葬られている。雪井出はその前後に嗜眠性脳炎が発症した事により意識不明となり、十数年ぶりに眠りから目覚めた彼は、天真の誘導によって父親が失脚前に行っていた迷宮ギャンブルに手を染める。嗜眠性脳炎から覚醒直後のIQ数値は190を超えていた。幼少時に父親から受けた教育の影響で、「秩序を乱す者」と認識する相手を「 」と呼び侮蔑する癖がある。
梶や摩周と対戦し、勝利。そのアリバイを得て摩周を殺人事件の容疑者に仕立て上げた。貘との対戦時に嵌められる形で彼が持つ「命の取り立て」を自分自身に移されてしまい、その雪辱戦で迷宮のトリックを看破され完敗。自らの行為の過ちを認めると共に、再び嗜眠性脳炎による深い眠りに落ちる。その後(作中での経過時間は不明)病院において、生まれ変わったような面持ちで目を覚ます。
貘は彼に同情あるいは好感を抱いたらしく、「ユッキー」と呼び、移行した命の取り立てを制止し、入院後も見舞いに出向いている。またマルコは、部屋中に錯乱した彼の絵を見て「自分と同じ」と、自らの境遇と似たものを彼に見出したようである。
雪井出の父
警視 。天真の同僚。迷宮ギャンブルの関係者であり秩序を維持する為には自身の妻を犠牲にする事も厭わない。栗栖曰く、盲信した権力の尖兵。息子が嗜眠性脳炎で意識不明になる以前、不祥事で事情聴取を受け失脚し、以後の消息は不明。息子の瞳に宿った闇に気付き、己の行為の罪深さを悔い全ての真相を明かし警察の罪を正すべく天真に協力を請うも、彼もまた濡れ衣を着せられ刑務所に送られる。
栗栖 恵介(くりす けいすけ)
賭ける側は負けてもノーリスクで勝てば大金を得られるギャンブルが出来ると言う賭場への案内人。インターネットを通して接触を試みた梶の前にリムジン で現れ、雪井出のもとへ案内した。迷宮ギャンブルにおいては標的に発信機を仕込む役割であり、秩序を盲信する雪井出親子の思想に付いていけない旨をリムジンの運転手の前で語っている。

賭郎会員

斑目 貘
梶 隆臣
主要人物 を参照。
九重 大郎(ここのえ たろう)
通称・Q大郎または廃ビルの怪人。元傭兵快楽殺人者 であり、相手が死を覚悟したら相手に希望を与えて死の恐怖を蘇らせる。都会に根を張る不動産王。自身の所有する廃ビルにカジノなどで見つけた人間を誘って、1000万とその人間の命を賭けた脱出ギャンブル(ほぼ一方的な虐殺)に興じていた。息子のマルコ(実子ではなく、集落を襲って手に入れた子供)に実験と実戦訓練を行い、結果偶然からマルコの別の人格である殺人鬼「ロデム」を誕生させる。自身の賭郎会員権+1000万と、貘と梶の命を賭けた廃ビル脱出ギャンブルを獏と行う。廃ビル内にめぐらせトラップと殺人者達を使い貘を追い詰めるが、その上を行く貘の謀略で最終兵器ロデムまでも奪われて敗北。全てを失った上に、Q大郎を疎んでいた賭郎会員・鞍馬蘭子に惨殺された。
佐田国 一輝(さだくに いっき)
国際手配されているテロリスト 。2年前に賭郎会員となった。国外(作中では北と言われている)に亡命していたが、帰国してからは資金調達のため5人の賭郎会員と賭郎勝負を行い、その財産(そのうち2人は命までをも)奪い取った。尚、政治的な思想反映について語る事は無く、目的はテロ行為で不要な命の排除が目的である。
貘と霊峰富士にて命を賭けたハングマン勝負に挑む。近眼 と称しているが実は全盲 で、カメラに映し出された映像を脳に送ることで物を見る人工視覚 を用いており、これをイカサマにも使っていた。しかし勝負前に梶が偶然にカメラの一台を壊してしまった事と、貘に全てのイカサマを看破されたことにより敗北。ハングマン執行され、その際に貘から克服していた死の恐怖を奪われ、醜態を晒して死亡した。
ちなみにモデルは作者が理髪師として働いていた時分の先輩である[1]
鞍馬 蘭子(くらま らんこ)
暴力団 鞍馬組の女組長。賭郎会員であり、カジノクラブ「クララ」のオーナー。煙管 を愛用している。佐田国に自身のカジノを荒らされた因縁があり、彼を徹底的に破滅させるためにハングマン勝負で貘に10億円を投資した。レオを部下にもつ。独特の勝負勘と「普通ではない人間」を見抜く眼を持っている。「善人と女子供は殺さない」と彼女なりに人間としての矜持を持っている。
立てた髪型と凄む際に見せる爬虫類のような表情が特徴。
本作品連載前の読み切り作品ではカジノ「賭郎」オーナーとして、貘と対戦している。
政治家の男
伽羅の回想に登場。政界でも有名な男色家 であった。「獏の身体」の代償として200万を提示し、獏と賭郎勝負を行う。その勝負が縁で、獏に代打ちを頼むようになるが、最後には全てを獏に奪われるハメとなった。
雪井出 薫
警視庁関係者 を参照。