『ホーリー・モーターズ』レオス・カラックス監督作、スパークスが楽曲担当

アダム・ドライバー主演、『ポーラX』(1999)『ホーリー・モーターズ』(2012)のレオス・カラックス監督が放つ渾身のロック・オペラ『アネット(原題:Annette)』は本格的なミュージカル映画だという。米Consequence of Soundにて、楽曲を担当する米ロックバンド「スパークス」のボーカリスト、ラッセル・メイルが明かしている。

『アネット』は、カラックス監督初となる英語作品でありミュージカル。ロサンゼルスを舞台に、アダム・ドライバー演じるスタンダップ・コメディアンとマリオン・コティヤール演じるオペラ歌手が織りなす恋愛模様を、スパークスの楽曲に乗せて描く物語だ。

アダム・ドライバーがとにかく素晴らしくて、せりふの95%を歌で披露しているんですよ。スパークスの感性に忠実なスタイルで歌い上げているので、いうなればアダム・ドライバーがスパークスを演じているといった感じですかね。」

 

また、製作の進捗状況については「昨年(2019年)末に撮影はすべて完了しました。編集作業の微調整が残っていますが、基本的には終わっています」と報告。また、米ラジオ局「KMUW」にて、同じくスパークスのボーカリストであるロン・マエルは、本作がお披露目となる時期について「予定通り秋に開催されるのであれば、ヴェネツィア国際映画祭とトロント国際映画祭で公開されるでしょうね」と話している。「とにかく唯一無二の作品です。恐らく皆さんが期待しているように、普通のミュージカル作品とは異なりますよ」。

カラックス監督は以前から、断片的にミュージカル演出を取り入れてきた。カイリー・ミノーグが「Who were we」を歌う『ホーリー・モーターズ』をはじめ、『汚れた血』(1986)『ポンヌフの恋人』(1991)といった数々の名作にもその試みは伺える。ちなみに、アダム・ドライバーも『マリッジ・ストーリー』でも見事な歌唱力を発揮しているだけに、本作でのパフォーマンスにも期待したい。