「脳は脳脊髄液という透明な液体の中に浮かんでいます。 この脳脊髄液には、外部からの衝撃を緩和し、脳を守るという役割のほか、血液から栄養素を脳に運び、また脳内の老廃物を洗い流す目的もあります。

 脳が40Hzのガンマ波の刺激を受けると脳脊髄液の流れが改善され、アミロイドβなどの老廃物をより多く洗い流せることがわかったのです」。

シオノギヘルスケアが販売している「kikippa」だ。 このスピーカーをテレビにつなぐと、テレビの音に1秒間に40回の振動が加わり、40Hzの"ガンマ波サウンド"が出る。 スピーカーを通してテレビの音を聞くだけで、脳内のアミロイドβを減らす効果が見込めるのだ。

「テレビの音などに40Hz変調を施したガンマ波サウンドを出せる、世界初の技術を塩野義製薬と開発し、特許も取得しています。 このスピーカーは、テレビの音を人の声と、それ以外の背景音とに分けます。 そのうえで、背景音のほうにより強く40Hz変調をかけているので、声の部分は比較的劣化せず、日常使いしやすくなっています」。

テレビを視聴するだけで認知症予防につながるのだから、これほど画期的なものはない。