“ゴッドハンド”“天才脳外科医”と呼ばれた医師の福島孝徳さんが死去した。 81歳。

 低侵襲・最新の手術を手技を考案し、驚異的なペースで手術を行ってきた。 患者に負担をかけずに、合併症のないきれいな手術による一発全治をはたすか、というのが、福島さんの一貫した医療に対する姿勢だった。

 48歳のとき、渡米。 米国でも臨床の現場にこだわり続け、30数年間にわたり毎年600人以上(米国:250人、日本:300人、ヨーロッパ/南米ほか:50人)もの手術を行い、患者の命を救っていた。 生涯2万4000例を超える手術を行った。 神の手と称される手術手技「鍵穴手術(キーホールオペレーション)」は、福島さんが開発したもの。 頭部に10セント硬貨ほどの小さな穴をあけ、顕微鏡を使って患部を切除・縫合する。 患者の予後を一番と考え、開発したものである。 この超人的な技術により、通常の開頭手術に比して大幅に患者の負担が軽減され、世界中の患者から絶大な支持を受け、世界一の医療水準を誇るアメリカの医療関係者から福島は「神の手を持つ男」「The Last Hope」と賞賛されていた