この写真が意味するものは?
昨年11月にクラウドファンディングを応援したHC名古屋は、今季の第40回日本リーグも白星なしで12戦全敗に終わり、連敗が30にのびた。
これで9年連続最下位。この間、2勝118敗と、信じられないほどのワースト記録がまた塗り替えられた。
最も勝利に近づいた試合は3月6日の三重大会、1点差で敗れたバイオレットアイリス戦だった。
試合後、選手たちは完全アウェイの中で懸命に応援したスタンドのサポーターに向かって深々と頭を下げた。
完全アウェイの中で奮戦
なんとしても勝利を手にしたかった。勝利の瞬間を見てもらい、みんなで一緒に喜びを分かち合いたかった。
だが、思いは叶わず、選手たちは自らの非力さを涙ながらに詫び、そして、心から感謝の気持ちを表した。
そんなシーンに心揺さぶられ、スタンドにカメラを向けてシャッターを押し続けた男がいた。
男には誰よりも名古屋を愛している自負があった。
だからこそチーム一体となった選手たちの全力プレーに感動を覚え、ファインダーを覗く目は涙で濡れた。
一方、スタンドに一暼もくれず、目の前を横切るGMの肩書きがつくチームリーダーがいた。いつもと同じく監督もあとに続いた。
その時、男が撮った写真が冒頭のものだ。
コートから出たあと、リーダーから「不甲斐ない試合をお見せしました」と軽く頭を下げられたとき、男の胸になんとも不快感が込み上げた。
頭を下げる相手は違うだろ!
「頭を下げる相手は違うだろう!」と、そう強く思った。
チームとともに苦しみ、もがいていたなら、選手と一緒にスタンドに頭を下げてもらいたかったし、そんな選手を責めるような言葉を口にしてほしくなかった。
「苦しい、悲しい、悔しい…いろんな感情が入り混じりました」と、男は写真を見ながらため息をついた。
その男の気持ちが痛いほどわかる。
少なくともクラウドファンディングを応援したのは、こんな写真を見るためではなかった。
リーダーならサポーター、ファンに愛され、強く、魅力的なチーム作り、クラブや選手たちの環境改善などに全力投球し、
体を張るべきではないか!
事業感覚、経営感覚にも乏しい、その甘えの構造が腹立たしくてならなかった。
改革が必要な部分とは・・
このほどJリーグ元FC東京社長が日本リーグ委員長となり、抜本的なリーグ改革に乗り出すことが報じられた。
クラウドファンディングを展開していたとき、選手たちは「変わる! 変わりたい!」と必死に訴えかけた。
しかし、監督を含めたフロントからのメッセージは、クラウドファンディング途中、そして目標金額を達成したあともいっさいなかった。
真っ先に改革が必要なのはこのチームの、この部分ではないだろうか!