この日、セカンドチームの公式戦に出場した梶原さんは、終始スタンドから温かい声援が送られる中でドイツでのキャリアを締めくくった。
異色のキャリアの持ち主
梶原さんは大学時代、国内のどこのチームに属することなく単身ドイツに渡り、悪戦苦闘しながら着実に実力を磨いてエムスデッテンのトップチームに昇格し、ブンデスリーガの舞台でもプレーした異色のキャリアの持ち主だ。
また、ハンドボールビジネスの分野でも手腕を発揮。同クラブの日本デスクとして活躍の場を広げ、ドイツのハンドボール事情を日本に発信するとともに、国内からのチームや選手、留学生たちの受入れなど、ドイツと日本とのパイプ役になってきた。
折しもこの日の最終戦はユーロ2016(ヨーロッパ選手権)のドイツーロシア戦があり、ドイツの快進撃(決勝進出)に国内の関心が集中していたが、それでも300人弱のお客さんが会場に足を運んで梶原さんの健闘をねぎらった。
チームもDJを用意したり、梶原さんがつけていた18番のユニフォームが天井に下げるなど雰囲気作りもバッチリ!
感動の中でファンにお別れ
「僕はキャリア最低のデキ(苦笑)にも関わらずにほぼフル出場でした。それなのにチームが一丸となって勝ちにつなげてくれたので、とても感動して涙をこらえられませんでした」と感無量の梶原さん。
試合後は観客が皆スタンディングオベーションでずっと拍手をし、そのあとにたくさんの人がコートに降りてきて一人ずつ挨拶をしながら梶原さんとの別れを惜しんだ。
「とにかく感動してしまい、もう耐え切れませんでした。なにか愛されてるな~って感じです」と感動のフィナーレを振り返った梶原さんだ。
2007年にドイツに渡って以降、自らの人生を独力で切り開いてきた梶原さんは、ブンデスリーガ出場やクラブのフロントを務めるなどの道を歩んだあと、この2月からはいよいよ国内での活動を本格スタートさせる。
本場ヨーロッパのハンドボール文化を日本でも根付かせたいとする熱い想いを胸に一歩を踏み出す梶原さん。今後の去就については近々発表があるはず。ますますの活躍を期待したい。

