時はあっという間に流れた。
気がつけばもう妻の誕生日まで一ヶ月を切った辺りで、これまで行ってきたケーキ屋の印象で、検討を開始する。
妻自身も本人の誕生日が近づくにつれ、やはりワクワク感が込み上がってくるようで、日々何かしたい気持ちが自然と言葉に表れてくる。
私の花粉症の酷さは重々承知している、そう言いながらも、何かできる事はないかという思いが口から言葉が溢れる(こぼれる)。
耳を傾けると、なんか近場での旅行とか言っていた。
遠いと長時間の車での運転は負担になる、更に温泉なら花粉の影響は出にくい。
はたまた、ちょっと特別なディナーとか、なんていろいろ考えているのがうかがえる。
ちなみに去年と同様、今年も可能な限り、当日までケーキの話は秘密。
今回は一つのお店で税別15000円の特別ケーキを注文することにした。
取りに行く日は土曜の3月13日。
妻の誕生日当日では無くなってしまうが、仕事で営業時間に行けるか分からない平日に、巨大なケーキを取りに行くことは無理だし、食べる事までを考えたら、やはり確実性の高い休日の方が流れが作りやすい。
お店で話をし予約完了、後は何も無ければ当日まで静かに待つだけと思っていた。
その矢先、妻からの提案が来た。
妻「花粉症のことを考えたら、温泉とかが良いかなって。」
妻「今のご時世、宿泊施設の利用が少ないみたいで、価格が無茶苦茶安い。」
妻「それでも土曜に泊まりに行くより、日曜日の夜泊まる方が安いんよ。」
妻「誕生日ももうすぐだし。」
妻「丁度夜勤で始まる日にだから、14日の日曜の夜に泊まりに行くのはどう?」
そうなんだ。
知らないからしょうがないんだけどさ。
被っちゃったんだよ、ガッツリと。
巨大なケーキ、取りに行っても、外泊したら食べ切れないじゃん?
それにね。
変に隠しても妻が嬉しくなくなるんじゃ、意味が無いじゃん?
しょうがないよね。
誤魔化して嫌な思いをさせることも無いから、今年も暴露せざるを得なくなったんだよ。
全く、、なかなか、うまくいかないものさ。
こうして今年の予約の日、車で一緒にケーキを取りに行きました。
購入したケーキを目の前に当日の妻、目をランランと輝かせていました。
スラムダンクという漫画のセリフで言うなら、
「もう、ケーキしか見えねぇ。」