「遊びをせんとや生まれけむ」

 

 何故か、この言葉がずっと気にかかっていた。

 

 後白河上皇の『梁塵秘抄』に収められ、

 今様ーーーー世間で流行っている唄、白拍子が舞と共に唄う流行歌

ぐらいの認識だったけれど、

 最高権力者の戯言か、でも、だから、持っている、深い意味があるのか、

何となく、胸の奥でもやもやしていたものがあった。

 

 4月21日の朝日新聞の加藤登紀子さんの「ひらりひと言」で、

  「私も、歌う仕事が『最高の遊び』と感じるようになってから、

  変ったわね。歌っている時が至福の時間!」

 というコラムを見て、はっとした。

 

 遊び---持っているいろんな意味が少しわかったような、今のお年頃。

 これと言って、公に自慢できるものではないけれど、

 自分にとっては、「生きがい」というよりは「遊び」なんだろうな、

と思えるものがいくつかある。

 

 ちなみに、続きは

 

   遊びをせんとや生れけん

   戯(たはむれ)せんとや生まれけん

   遊ぶ子供の声聞けば

   我が身さえこそ ゆるがるれ