実に長い間ブログをやってませんでした。世の中はコロナで大変なことになってます。

たしか、このブログの初期に東日本大震災があり、直後に東北の復興を思いながら記事を書いたのを思い出します。

今回のコロナは、その時以上に日本のみならず世界全体を震わせています。

しかし、気が滅入るような事ばかり考えて解決しないと思い、今やることを前に進めて行こうと思っています。

 

長年、高野山に骨董品や茶道具を扱いながら通った道すがら、沢山の高野に住む先輩たちに出会わせて頂きました。

何年か前に亡くなった高名な俳人石楠翁との数々の興味深いお話は、とりわけ思いだされます。

このブログを続ける中で又、逸話を紹介する機会もあるかと思います。

今しばらくはこれから紹介する元気な翁にまつわる話題になると思います。

 

その方は、石楠翁のお亡くなりになる少し前まで、高野山の中心地に喫茶満帆(まんぽと呼ばれていました。)という店の店主で

田中翁という当年86歳の才気溢れる、万年青年です。

 

数年前のある日、「先生!(私はある頃から、揶揄されるかのように先生と田中翁に呼ばれるようになりました。)

最近、色んなとこに”道の駅”というところが沢山できてるやろ。ワシはいいアイデアが出たんよ。」

「”巡礼の駅”というネーミングで商標登録してるんやけど、これでチェーン展開できんやろか?」

急にこんな話になりました。

その時は、中々良い発案だけど、内心そう簡単に実現するのは難しいだろうと思っていました。

 

程なく、”巡礼の駅加盟店”みたいな標札を見せられ、四国に2号店できたとお話された時は、その実行力に驚きました。

ただ、その2号店の運用は芳しくなく、一昨年あたりに休業状態になりました。

 

昨年(2019年12月)暮れに田中翁とお話してる時「ワシは高野山を降りて四国に行って巡礼の駅を建て直すんや。手伝ってくれませんか?先生!」といつものように若者の眼差しで話かけられました。

私はその勢いで、即座に「勿論です!」と答えました。

「ついては、”巡礼の駅”に商売繁盛!とその土地の繁盛を祈念して大黒天を安置しようと思ってる。是非、先生作ってくれませんか?」と依頼されたのです。

断れるハズがありません。

 

私はすぐさま、手持ちの榧木(カヤノキ)の角材から、身の丈50センチぐらいの像でよろしければ彫らせて頂きますと答えました。

すると、田中翁は「祠(ホコラ)も作って一番お遍路さんから見えるところに祭ります。」とおっしゃられました。

 

巡礼の駅の場所(徳島県川島町)https://goo.gl/maps/xyrK3eR2HnNJapyy7

ーーー次号に続くーー